episode0-6
天守とは言うものの…造りは質素で取り敢えず建てた感じの所に、信介を案内した信繁。『…はぁ~。こんな天守でも…眺めはいいもんだな。思いもかけずに…この刀のお陰で鎧を着けて一人前に歩ける様になれて…まぁ、当主としての威厳(いげん)も保(たも)たれた訳だが…。せっかく、こんなゲームの世界に来たんだから…夢だろうが、現実だろうが、関係無く…もう少し楽しむとか、ワクワクしていいはずなのに…。な~んか釈然(しゃくぜん)としないな…。まっ、有り得ない事ばっかりだし…仕方ないか…。』「殿…。如何なされましたか…?」信介の様子を伺う信繁。「いや…何でもありません。少し、考え事をしていました。失礼ですが…貴方の名前を聞きそびれていました。…お名前は?」「勿体無きお言葉…。私は、真田信繁と申す者にございます。」『おぉっ!…後に幸村(ゆきむら)と名乗り、徳川家康に「日本一の兵(にほんいちのつわもの)」と評(ひょう)された武将だ。』「真田殿ですか…。では…明智殿の軍勢は、どうなりましたか…?」「はっ!…私の見る限りでは…明智殿、黒田殿、竹中殿の三方に別れて、敵を撹乱(かくらん)させてから敵を蹴散(けち)らし…早々と所領を取り返した様でございまする。然(さ)すれば、殿のお眼鏡に叶いましたな。」「いや…明智殿、黒田殿や竹中殿の自分自身が元々持っているスキルが素晴らしいのです。私が特に何かした訳でも無いですので…。」「…スキル?ですか…?」「あっ…あの、生まれながらに持っている才能と言うか…特殊能力と言うか…才(さい)に長(た)けてる感じと言うか…。」「はいっ!才に長けてる…才能があると言う事ですね!分かります!」「そうそう!」『良かった!通じた!…ヤバいヤバい!つい、現代用語が出てしまった!…言葉遣いに気を付けないと…。』「殿!…この戦の後の所領をご見分をしては、如何でしょうか…?どの地域の開墾をしたら良いか?どの地域に何を建てるべきか?どこに砦(とりで)を必要なのか?…を判断する良い機会かと思いまする。」「なるほど…。良い考えだと思います。早速、出かけましょう。」天守から降りると…5名の家臣が待っていた。「殿!…我々もお供させて頂きます。」そこには…言上を取り次がんとした、戸次道雪(とつぎどうせつ)をはじめ、丹羽長秀(にわながひで)、加藤清正(かとうきよまさ)、藤堂高虎(とうどうたかとら)、福島正則(ふくしままさのり)らが、名を連ねた。『錚々(そうそう)たるメンバーだな…。どなたも…城造りを得意にした武将ばかりだ。さては…信繁が事前に手を廻して居たのかも…知れんな。』「それでは皆様…!よろしくお願い仕(つかまつ)る。」信繁の号令で視察衆が動き出す。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歴史を変える、平和への戦い

閲覧数:8

投稿日:2024/03/17 16:13:15

文字数:1,141文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました