ニコビレからの帰り道。

レンくんは、さっきレイムさんから聞いたことを、ずっと考えていた。

「自分で注文をして作る人形、か。やっぱり、“はっちゅーね”には、秘密があったみたいだな」
彼は、そう思った。
「さすがに、りりィさんはスルドイや。人形のフシギには、裏がありそう、って言ってたものなぁ」

でも、彼はふと首をかしげて、立ち止まった。
「ううん、でも、仮にレイムさんの言うことを信じるとしたら…」
また、歩き出して、思わずニヤニヤしてしまった。

「いや、ありえないなあ、やっぱ。異界とつながってる、人形なんてね」


●別のに切り替える?

さて、ところ変わって、ここは原宿にある玩具店、キディディ・ランド。

店のカウンターの隅にいた、店長のカイくんに、話しかけているのは、メイ社長だ。

「ふうん。あんなに人気だったけどね。“メグ・ハミング”の雑貨も、ちょっと売れ行き、落ちてるのね」
カイくんは、腕組みをして答えた。
「ええ、そうなんですよ。ちょっとマンネリになったかな、そろそろ」

そう言って彼は、売り場に並んでいる、小物やハンカチなどの雑貨の方を見る。
「人気がないわけじゃ、ないんですけどね」

それを聞いて、メイ社長は指を立てる。
「いや、引き際も大事よ、こういうのは。別の商品に切り替えましょうか」

「うーん」
カイくんは、困ったように首をかしげた。

●頑張りたまえよ!

彼は言った。
「でも、まあ、ハミングスさんでも、新しい商品を作ってるみたいですし」
「あら、そうなの?」

メイ社長に、カイくんは教えた。
「ええ。なんでも、“はっちゅーね”の新バージョンらしいですよ」
「あら、そうなの。今度、ハミングスで作るの?」

「ええ。ミクのやつが作る手作り人形とは別に。それがね、なんでも、モデルはリンちゃんという噂も…」
メイさんは、びっくりして聞き返した。
「ええ?うちの常連の、あの高校生のリンちゃん?」

彼女は、うなずいて言った。
「ルカさんのハミングスは、さすがに企画力があるわね。次のヒットもまた狙おう、ってわけね」

カイくんも、うなずいた。
「テトさんのところも、いろいろアイデアを考えてるみたいだし。当分、仕入れ情報は、いろいろ入れないと大変です」

メイ社長はカイくんの肩をぽん、と叩いて言った。

「そうだよ。頑張りたまえよ、店長くん」(。-_-)ノ☆

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

玩具屋カイくんの販売日誌(205) キディディ・ランドが仕入れるのは?

カイくんのキディディランドでは、新はっちゅーねと新テト・ドール、どっちに力を入れるのでしょう。

閲覧数:110

投稿日:2013/08/11 17:18:26

文字数:1,004文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    こんにちは! 続き拝読させて頂きました!

    レン君、ちょっとオカルトへの誘惑にかられてますね♪ 良き哉良き哉!

    さて、カイくんの所でも、リンちゃんver.のお話が入ってきて、商品ラインナップを考え直す時期かもしれませんね。リンちゃん、本当に人気ありますしね。

    これからが楽しみです!

    ではでは~♪

    2013/09/08 13:36:41

    • tamaonion

      tamaonion

      enarinさん、感想をありがとうございます!

      >レン君、ちょっとオカルトへの誘惑にかられてますね♪ 良き哉良き哉!

      若い男の人でオカルト好きって、本気でのめり込む人が多いそうですね。それと、年は関係なく、意外と理系の人が、霊やオカルトを信じてるケースが多いそうですねえ。レンくんはどうかな。

      >リンちゃん、本当に人気ありますしね。

      リンちゃんの人気の強さは、当初の予想を超えてますねえ。一度のめり込むと抜けられないのでしょうか(笑)

      また感想を聞かせてください。
      それでは、また。

      2013/09/16 20:47:11

オススメ作品

クリップボードにコピーしました