「たまには…会いたいよ」

始まりは私のこの言葉だった。
言の葉に小さな願いをこめて。

「いいよ」

たった3文字のこの言葉に、私の心は躍ったものだった。











時計の真下で、私は待つ。
誰を待っているのか忘れてしまうほどに待った。
気がつけば、もう2時間も経っていた。

街往く人々は待ち呆けている一人の女の子なんか、気にも留めない。
むしろ、嘲笑っていた。
そして君も…

「…それが答え…でしょ」

認めることはとても簡単だ。
けれど、私にはそれがとても難しい。
もしも認めることが出来たら前に進めるのに…
そうして私は待ち呆ける。

何度も警告された。
あるときは友達、またあるときは家族に。
信じられなかった。否、信じたくなかった。

君の中で私は都合のいい道化師なんでしょう?
君のためにはなんでもする、操り人形…

君に尽くしすぎて、疲れた。
心はいつだって息切れて、喘いでいるのに私は無視して尽くした。

君の心をつかめないまま、終わる。
そう、これが悲しい私の末路だ。











来ないと分かっている君をまだ待っていた。
小さい、とても小さい私の願い。
それは大きな力で裏切られることになった。

「っ!?」

一秒だけ、息を呑む。
声もかけられず、喚くことも出来ず、ただ立ちすくむ。

「なんで…」

かろうじて出たのは蚊の鳴く様な小さい声。

君は別の道化師と歩いていたんだ…
偶然と運命が重なって起こる、悲しい結末。

私が大好きなあの笑顔を、温かさを、仕草を。
全て私じゃないその子へと。

触れてしまった温かさ、笑顔、仕草。
目の前で別の道化師と歩く君。


―――壊レテシマウダケダ












私は前に進むのが怖いだけ。
君を口実に使っていただけ。

「もうやめた…」

ここで君を待つのは。
私が壊れてしまうだけだ。

目から伝う雫。
物珍しげに眺める人々。
君は…いない。

自分に素直に、変わっていこう。
そうすれば私の幸せが見えるはずだから。

その決意が確かなものになるまで。
君の望むピエロのままでいるからそれまでは…


―――思うままに操ってよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【思うままに】悲しいピエロの末路【操ってよ】

何番煎じかは分かりませんけど…
み…短い。
まぁ忙しいからということで!
けっこう忠実に解釈しました。
いや、今まで忠実じゃなかったとかじゃなくてww

明日から勉強合宿です。
13日まで消えます…
ラバーズ5と夢桜を近日うp予定です。


セツナイ神曲の本家様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15022913

閲覧数:933

投稿日:2011/08/09 14:12:07

文字数:920文字

カテゴリ:小説

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