ワードプロセッサ

恐らく僕は生きている。
味のない肉を咀嚼している。
鉛のように重い顎で咀嚼している。
乾いたそれは喉に詰り、嘔吐しかけるも口に留まる。
言葉を反芻し、繰り返す。
苦虫を噛む思いで繰り返す。
塩辛い液体でようやく流し込む。
吐き出す物が血に代る。
生きている実感を持つ。
こんなもの誰が求めた?
今すぐに吐き捨てろ。
どこかに穴が空いた。
漏れ出るペースト状の言葉が全身に痛みを与えてくる。
辞めろ。離せ。話せ。放せ。
誰か薬をくれ。いや、薬をください。
鎮痛剤と飲み込んだ物を吐き出す為の物を。
所でこれは誰の言葉だ?
そう言えば俺、薬飲んだっけ。
あぁ、眠い。きっと副作用だろう。
そもそもあれは何の薬だ?
なぜ必要とした?
そういえば昔。
昔?
ムカシ?
むkあし
muかas

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ワードプロセッサ

言葉の反芻

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投稿日:2020/10/05 18:39:09

文字数:350文字

カテゴリ:小説

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