明かりを一つずつ消すように 暗い夜が終わってゆく
街は不自然なほどに遠く静まり返っていて

オレンジの手提げバスケットに 君を入れて走り出した
時々手に触れる二つの鼓動は最後の刻を測るメトロノーム

輝かしい未来ヴィジョンは見えてても
頭の上に釣り下がった結末には誰も気づかなかったようで
誰が言ったかも分からないような言葉にすがって足を進めた
“世界が終わった後生き残るのは 哺乳類ならネズミぐらい”だってね

終わりの街を駆ける自転車の頭上で動かない星がぱらぱら流れていく
さよなら、この惑星はようやく君たちだけのものになる
世界が終わったら海へ行こう、みんなで空を見に行こう
私と君たちが生きてた最後の思い出に


闇の中で震えてるのか 誰の声ももう聞こえない
こんな物好きは私一人ぐらいなんだろう

いつものオレンジバスケットから 伝わるのは確かな温もり
分かってるのかいないのかただ無邪気に撫でられる手に身を預けてる

身勝手に世界の命を狩りつくしてさ
なら最後に狩りつくすのは一つしかいないよね
奴隷解放、よみがえる平等 罪深い口でなお呟いた
これが賢い人間の結末だヨ、“君たちよりずっと”賢い・・・

濃縮した時間の中で私の存在はいかほどのものだっただろう?
さよなら、まさか私の方が先にお別れになるなんてね
なんて高慢なことを少しだけ 私もニンゲンだから思うよ
さあ、もうすぐ海に着くよ あの時は怖がってた海に


暗い星空の下で砂浜に君たちを降ろした
“これからは二人どこへでも 好きなように生きて行けよ”
ちょっとだけ迷った顔をして軽い足音立てて走り去った
悲しくないよ、さよなら言えたんだ、世界にさよなら言えたんだ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

終末とファンシーラット

この国から朝が消える日に、二匹のネズミを離しに行く歌。

うちのおネズミさま二人にモデルになってもらいました^^
ラットかわいいよラット。でもペット飼うって動物を人間の奴隷にするってことなんだよなあと、「人の手なんぞ借りねえよ」と言いたげな野生の一面を発揮されたときに思います。

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投稿日:2013/07/28 22:24:02

文字数:718文字

カテゴリ:歌詞

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