「こんなに綺麗な空、はじめてみたよ……」
皮肉にも、私が今まで見た中で一番綺麗な空はあなたが旅立つ今日でした。
重い扉の前であなたとこの世で最後の別れをして、私は今、青空の下にいる。
「煙が……」
空を上る白い煙は、青い空に混ざって、消えてゆく。
風に飛ばされるように靡いて、きっといつか、雲になるのだろう。
「さよならなんて言ってあげない……あげないんだから」
枯れたと思っていたのに、どうして。
涙は少しも枯れてなんてくれなくて、私はまた泣いていた。
ひらりひらりと、緑の葉が足元に落ちて風にさらわれる。
「迷子になっちゃだめだよ、ちゃんと、辿りつくんだよ」
あなたが幸せに眠れる場所へ。
そう願って、私は祈りをささげた。
「――なんて、らしくないかなぁ……」
その時、後ろで誰かが名前を呼んだ気がした。
「――さよなら――」
呼ばれた方を向いて、そう微笑んだ。
心配しないで、私は大丈夫。
だってずっと見ていてくれるでしょう?
私がそこに行くまで、待っていてくれるでしょう?
だからそれまで……。
【サイハテより】さよなら
短くてごめんなさい。
突発的にやりました。
大切なあなたが、どうか幸せに眠れる場所へ辿りつけますように。
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