【13の法陣】

絶えない談笑　迷惑な喧騒
変わらぬ日常　そう、あの日までは
微睡みの中の天啓により
約束の未来が狂い始めた

この左手に深く刻まれた
主より授かったこの力を
明日の平穏を一身に担い
包帯の陰より今解き放つ

黄昏時の訪れと共に
光の封印より解き放たれた鬼畜を
13の法陣の力を以て
今宵再び闇の深淵の底に還す

受け止めてきた呪縛の古傷が
時折疼き身体を蝕む
凡庸の自分　無双の自分
本当の自分は何者なのか

この胸中は打ち明けられない
かけがえのない友にさえ
孤独で悲壮な運命を背負い
不熟の力を今解き放つ

彼は誰時の訪れと共に
渾沌の最奥より漂い出した瘴気を
13の法陣の力を以て
世の目覚めの前に暁の空に溶かす

最後に残された心の拠り所は
唯一護るべきあの少女
この醜態を悟らせぬように
十全の力を今解き放つ

閑かなる暦の訪れと共に
遥かな異界の地より送り込まれた刺客を
13の法陣の力を以て
姿を晒させぬまま次元の狭間に葬る

無限に繰り返す時間の中で
姿形を変え生まれ続ける禍害と
13の法陣の力が尽きぬ限り
過去の自分を捨て去り独り戦い続ける