ダメだと言われるとやりたくなる事って絶対ある。入っちゃダメって言われると入りたくなる、聞いちゃダメ、見ちゃダメ、言っちゃダメ、判ってるけど気になっちゃったの。

「リヌちゃん?どうしたの?ずっとPC見てるけど…何か調べ物?」
「あ、えっと、学校の宿題で!」
「そうなの、あんまり夜更かししちゃダメよ。」

気になったら取り敢えず検索だ、と思ってあの人達を調べてみたけど…昨今個人情報なんてそうそう上がってる筈も無く、いきなり躓く…。

「…のが普通でしょ!!何よこのHIT数~~~~!!」

検索掛けたら出るわ出るわ、有り得ない数。

『弐拍啓輔:ジュニアコンクールピアノ部門にて最年少受賞、その繊細ながらも
 オリジナリティ溢れる演奏に審査員も脱帽。『音楽に愛された少年』とF氏も絶賛、
 今後の音楽界の新風となり得るだろう。』
『T都国際交流祭にて、イギリスの天才少女と協演、若干13歳ながら堂々たる演奏で
 観客を魅了。』

「あ、こっちにも…演奏会にて短期留学における成果を惜しみなく発揮…。」

あちこちのコンクールを総ナメにしてるっぽい?何か本当に凄い人みたい…。でも何でそんな人があの場に居たんだろう?仕事中だったとか?検索を進めると途中から記述は様変わりしていた。

『骨肉腫発症により、留学を取り止め』
『神の子再起不能』
『霊薬による治療か?!』

骨肉腫って、あの人…ピアノ弾けなくなっちゃの?でも、弾いてたって事は…あの人はBS…。私は検索を止めた。何か見ちゃいけない物を見た様な気がして後ろめたかった。

「あら、リヌちゃん?こんな時間に出かけるの?」
「ちょっとコンビニ!」

こう言うモヤモヤしちゃった時は甘い物!ちっちゃいケーキとかアイス買って食べれば元気になるんだから!

「いってぇっ!!」
「うきゃっ?!」

痛い…鼻ぶつけて尻餅までついた…。鼻をさすりながら立ち上がると目の前にタトゥーが見えた。物凄くイヤな予感。無い無い、こんなベタな展開有り得ないって!

「おいおい、前見ろよ!」
「あ~れ?おい、この子あれじゃね?ホラ、冰音リヌ!」
「うぉ!マジで?!本物?!本物?!」
「ちょ、写メ写メ!人呼ぼうぜ!」
「あ、あの…急ぐので…。」
「良いじゃん、ほら、折角だしメアドとかさ。」
「カラオケとか良くね?生歌聞きてぇ!」
「ちょっ…放して!」

最悪、この人達…空気読んでよね!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -22.空気読んでよね!-

だからダメって言ったのに…。


※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。

閲覧数:182

投稿日:2010/06/02 11:41:33

文字数:1,012文字

カテゴリ:小説

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