ネオン街から外れて。
僕たちは歩き続けていた。

ビバップ消えそうだ。
さっきの大通りからだろう。
だんだん小さくなっていく―・・・。

右隣のキドを見ると、おもむろにイヤホンを付けた。
暗い色のフードに、白いイヤホンはよく映える。

でもさ。

その仕草が、夜が嫌いそうに見えるのは、僕だけ?

ツービートのリズム。
さっきよりも、泣きそうに切ない。

キドと同様にセトを見る。
セトは、真っ直ぐ前を見据えて歩いていた。
光を放つ、強く綺麗な瞳。

・・・嘘が嫌いそう。
率直な意見だ。

きっと、この青少年は、嘘が嫌い。

そう、もう同じように、ちゃちな理想がインプットしちゃってて。
この世界は、理想や想像や妄想で、成り立っているんだ。
僕だって・・・ほら、ね?
そんな考えが、心臓を飲み込んだ。

それ以来 気付いたんだ、僕らは。

単純に、理想叶ったとして。
一人ぼっちじゃ、この世は生きてけない。

ねぇ、怪物。

それも嘘?
いやいや、本心だよ?

怪物は僕の問いかけに、ニヤリと笑った。

あぁ。
崩れそうな脳が『NO』で満ち満ちて行く―・・・。



もう汚いなぁ、僕。
すさんで、かすんで、醜い。
他の能力よりも、ずいぶん達が悪い能力。
こんな能力、いらなかった。

もっと聴いて・・・!

僕の、この歪んだ心を。

我が儘を。
この嘘を。
本物を―・・・。


「寂しいよ。」

なんて、言った。
小さく呟くように。

「ん?なんッスか、カノ。」

セトが、僕の顔を覗き込む。

また、僕は欺く。
あ、こんな時に楽だね、欺くのは。



「・・・なんでもないよっ」

僕は、こんな僕は、変わらない。

あぁニヤけそうだ。
そう、ニヤけそうなほど、常々呆れてる。




中編 * fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜咄ディセイブ 【自己解釈・中編】

はい、中編ですね。
前編は【http://piapro.jp/t/Oixq】へどうぞ(*^^*)
歌詞的には2番をイメージ・・・!

次は最後!後編です!!
あああああああ今からでも書きたい!!!
だがしかし!色々忙しい・・・!!ヴォォォ

もう時間が来たようです。
では、また後編で♪

閲覧数:1,773

投稿日:2013/02/27 20:56:39

文字数:784文字

カテゴリ:小説

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