「すみません、放送委員ですが・・?!」
ルイがハンドメイド部の部屋に入ると1人の男子部員がいた。
「はじめまして、ハンドメイド部のアスハです。実は放送委員さんにお願いがありまして・・」

「ねぇシエル、何でルイは落ち込んでいるの?」
「先ほど情報屋の鳥さんに聞いたところ、どうやらルイの片思いのアスハ君が誰かにプレゼントを作っているそうで、プレゼントを送る恋人ができたのかもしれないとルイは落ち込んでいるのです」
シエルとフレンはルイの家の犬である。
小さい方が女の子のフレンで少し大きい方が男の子のシエル。
もちろん犬同士の会話なのでルイにはわからない。
「でもうわさ話なんでしょ?アスハには本当に恋人ができたの?ルイがかわいそうだよ」
コンコンと音がする窓に小さな影が。
「情報屋のハムスターさんが来ましたね。フレン、動ける準備をしておいてください。もしかしたら僕達の出番かもしれませんから」

「足音がする!お客さんかな?」
「しかし今はチャイムが壊れています。フレンは予定通りルイを呼んできて下さい。あとは僕がなんとかします」
「はーい!」

(留守かな・・)
「待ってください!」シエルが立ち去ろうとする人間に庭から近づく。
「ん?あれ?君がシエルか!写真で見たことはあるよ!フレンって子は一緒じゃないのか?」
シエルが時間を稼ぐ。
「ごめんなさい!チャイムが壊れていて・・、ってアスハ先輩?!」
「ルイ!留守かと思ったから居てよかった〜!」
ルイは放送委員の仕事でハンドメイド部を訪れた時にアスハと出会い好きになってしまった。
そこからアスハと話すようになりシエルやフレンのことを話したり、お互いの家が近いことを知った。
「今ね部活の帰りなんだ!相変わらず部長と副部長の名物喧嘩がすごくてさ!ルイに渡したい物があって来たんだ!予定より早くできたんだよ!」
「渡したい物・・?」
「開けてみて!」
アスハからもらったラッピングを開けるとそこにはペンダントが入っていた。
「とても綺麗です・・!」
「俺、将来はハンドメイドの仕事をしてみたいんだ!ハンドメイドは趣味でもあるからさ!」

「ルイ嬉しそうだね、シエル」
「・・人間は大変そうですね」
無事にプレゼント事件を解決したワンコ探偵であった。

翌日のハンドメイド部。
「副部長!どこにいたんだ?部員が探していたぞ?」
野球部と言われたら誰もが納得するような部長が言う。
「あー、ごめん、調理室を借りていてね・・」
生徒会だと言われたら誰もが納得するような副部長が答える。
「なぜハンドメイド部が調理室を使うのだ・・?」
「芸術のセンスを磨こうと思ってね、あめ細工に挑戦していたんだよ。はい、部長にあめ細工のタコさんウインーをあげるよ」
「副部長、ならば俺は毛糸のタコさんウインナーをお前にやろう」
2人のやり取りを見ながらアスハはルイへの新しいプレゼントを作成していた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

わんこ探偵(1)〜プレゼントの行方〜

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投稿日:2023/09/30 15:48:42

文字数:1,217文字

カテゴリ:小説

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