[1A]
滲む傷と過ぎし日
里に下りた孤児(みなしご)
生まれついた真白(ましろ)の
髪に衣(きぬ)を着せて

母から譲り受けた
泣き顔の狐面(きつねめん)
真白の子は知り得た
祈り捧ぐことを

[1B]
「神様なんて ここにはいない」
大人の声も 聞こえない振り

[1S]
「神様はどこですか?」
変わらずの音無し暮(ぐ)れ
この手に残るものは
静寂と孤独だけ

狐は今日も笑う
心内(こころうち)を隠すように
風舞う木の葉ひとつ
コクリとも繕えず


[2A]
孤児(みなしご)の少年は
幾重に闇を纏えど
いつか母の迎えが来ると
信じていた

[2B]
「親の名でさえ 知らぬくせに」と
嘲る声も 聞こえない振り

[2S]
「神様はどこですか?」
幼い日の祈り事
振り払ってください
絡みつくこの闇を

狐は今日も笑う
諦めを零しながら
覗かせた素顔には
悲しみを貼り付けて


[Last S]
「カミサマはどこですか?」
探しても呼んでみても
返るは木霊ばかり
冷え切った風が往(ゆ)く

狐は今日も笑う
あの夕焼けに抱かれて
眩しい陽に目を伏せ
影を踏み 頬濡らす

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【歌詞】闇を振り払ってくれる神様なんていないけれど【応募用】

musiccircle様の楽曲【http://piapro.jp/t/z_x2】に応募する歌詞です。
元となったイラスト【http://piapro.jp/t/fgIf】を眺めつつ、狐面(天狐)に関する昔話を題材として詞を考えさせていただきました。

テーマは一言では表せませんが、天狐の由来となった昔話(http://bit.ly/1ActlwO)の子狐に対する扱いに注目し、アレンジしました。

狐面を被った少年は、あまり良い扱いを受けていなかった。
お面をくれた母もどこかへ消えてしまい、独りきり。
孤独や寂しさと言った『闇』を振り払ってもらおうと、少年は神様を探し求める。
それはまるで、母を探す子狐が鳴くような。

閲覧数:270

投稿日:2015/05/19 21:26:21

文字数:489文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント2

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  • こなん

    こなん

    ご意見・ご感想

    はじめまして、
    歌詞を応募するにあたり私のイラストを見てくださりありがとうございます。
    ドラマ性のある歌詞に惹かれます!
    神様を探す少年、とても素敵な響きですね!

    2015/05/21 21:03:13

    • ほにゃら隊長

      ほにゃら隊長

      初めまして!こちらこそ素敵なイラストに作詞させていただき光栄です!
      神秘的な少年の狐面がとても印象的で、俯き気味の視線と口元の笑みがとても切なく思えましたため、楽曲にもありました「哀」寄りのストーリーにさせていただきました。
      素敵な機会を与えて頂き、遅ればせながら感謝申し上げますm(_ _)m

      2015/05/21 22:36:04

  • TEtoTE

    TEtoTE

    使わせてもらいました

    素晴らしい歌詞をありがとうございます♪早速曲作りに使わせていただきます

    2015/05/20 01:00:55

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