※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ

・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

※ここ大事※
 多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ




☆☆☆☆☆☆☆




43.

SIED・MASATAKA


後部座席に篠ちゃんと帯人を押し込み、花園さんを助手席に乗せる。
ここまで一言も口を利かず、目すら合わせない彼女が一体何を考えているのか、全くわからない。

僕の全てを賭けたプロジェクトを、根こそぎ奪って台無しにした張本人。精鋭揃いのプロジェクトチームを、僕と一緒に引っ張ってくれていたはずだったのに。


どうして皆を、所長を、僕を、裏切った?


(しかも、今回の篠ちゃんの誘拐にまで関わっていたなんて、)

こんな形で再会して、聞きたいことも言いたいこともたくさんあるけど…。


「………、」


俯いて顔を伏せる彼女を、今はとりあえず放っておこう。

今、その話に触れてしまったら、僕はきっと自制できる自信がない。
割と最近も、感情に吞まれ罵詈雑言を喚き散らした前科があるし。あれは今思うと、自分でもかなり見苦しかった…。



(それに、)

先程所長から、皆を連れて某イタリアンレストランに来るよう連絡があったところだ。

どうせなら、話はそこで聞けばいい。後は全部、所長に任せればいい。
僕は沸々と湧き上がる感情を押し殺し、ハンドルを握った。




「…ねぇ、その女は何?まさかぼくの篠武を攫ったのって、そいつ?」

「違うよ、彼女は監禁先でオレの面倒を見てくれてた人、」

「…ふぅん、」

「そういえば篠ちゃん、普通にビルから出てきたけど、本当に助けなんかいらなかったんだね…。着くまでは、どうやって連れ出そうかとか…いろいろ考えてたんだけどさ、」

「ゴメンな、オレ…いろんな意味でヒロイン向いてないわ、」

「ははっ、そうかもね、」

足を組んで、おもむろにシャツの裾から手を突っ込み、ぼりぼりと腹を掻く姿は、確かにあんまり女子力は感じないけど。

「ふあぁぁぁ……、眠ぃ、」

この殺伐しがちな車の中、何の緊張感もなく寛ぐ様子が周囲の空気を和ませてくれる。

こういう時は、そのマイペースな雰囲気が逆にありがたい。


「ねぇ、篠武。寝るならぼくの膝、枕にしてもいいよ、」

「マジで?んじゃ、ちょっとだけ寝るかなー、」

「篠ちゃん、シートベルト外しちゃダメだよ、」

「うっ、…はーい、」

「………、」

わかっているとは思うけど、一応釘を刺した僕の背中に、帯人の物言いたげな視線が刺さる。
殺意すら含むそれを気にすることもなく、僕は所長の待つレストランへとアクセルを踏んだ。




44.

SIED・KANA


「つまり。篠武さんの調査資料と、帯人を含む『VOCALOID・KAITO』の全データをトレードしたい、と?盗人猛々しいって、こういうことなのね、」

「ええまぁ…私としましては、有栖お嬢様の忘れ形見の存在を、総帥にお知らせしたいのですが、我が社の開発したプロトタイプ・アンドロイドを返却いただければ…、」

彼女の存在には目を瞑り、クソ爺には黙ってる…なんて、信用できないわね。

「何の保証もない話に、私が乗ると思う?これまでの慇懃無礼なあなたの態度に、誠実さは欠片も感じられないわ、」

レストランの個室で数十分、平行線を辿る話し合いにため息が出る。今回の会食は、私が急きょ設えたものだから、このクッソキモい顔を見るのは仕方ないとして、出てくる言葉がいちいち癇に障るのは何とかしてくれないかしら。

「ですが、結論を急いでくださらないと、取り返しのつかない事態になりますよ?…あと一時間もすれば、お預かりしている篠武様を、総帥の元へ連れて行く準備が整います、」

「ああ、ここ数日彼女の姿を見かけないと思ったら、やっぱりあなたのところにいたのね、」

「手荒な真似はしていませんよ、丁重におもてなししていますので、ご安心を、」

「…いっそ手荒にしておいたほうが良かったんじゃない?あの子を甘く見ると、痛い目見るかも知れないわよ?」

「………?」

調査したって言っても、上辺だけなのかしら。
私が裏で彼女にどんなことをやらせているかまでは、調べてないみたいね。
本当、何から何まで浅い男…。





PPPPPPPPi


やり方の汚さと詰めの甘さに呆れていると、私の携帯が終焉を告げる。


ほら、もう着いた。


これからラストステージね、上手く収まると良いんだけど


続く。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第十六話

もう少し、あと少しで終わります。

閲覧数:54

投稿日:2016/10/07 23:19:22

文字数:2,154文字

カテゴリ:小説

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