※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ

・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

※ここ大事※
 多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ




☆☆☆☆☆☆☆




35.

SIED・TAITO


ぼくがここに来て、今日で多分三日目。


何処にいても、何も変わらない。

痛くて、辛くて、苦しくて、とても冷たい。


(早く、終わらないかな、)


与えられた部屋の寝台で、ぼんやりと天井を見上げるぼくの脳裏に、ここの所長だという女の言葉が蘇る。

『私たちは、あくまでもあなたのデータが欲しいの。出来そこないの身体なんか、不要なのよ、』

あ、そう。だから、何?

『素直に協力して、速やかにことが済んだら、あなたを自由にしてあげてもいいわ。ただし、条件付きではあるけどね、』

自由?そんなの、体のいい責任放棄じゃないの?

『そんなことないわ。あなたの中にあるモノは、もともと私たちのだもの。無責任な扱いはできない。条件付きって言ったでしょ?だから、選ばせてあげる、』

選ぶ?何を?

『まず一つ目。帯人君自身で【廃棄】を選ぶ。二つ目、このままここに留まり、研究員の助手として働く、』

何それ、死ぬか奴隷かってことじゃない。

『三つ目…篠武さんに個人譲渡。私としては、これがベストだと思うんだけど、』

篠武に…譲渡…?

『本当は事件を起こした危険なアンドロイドを彼女の傍に置くなんて、心配で仕方ないんだけど…状況が変わったのよ、』

状況?…篠武は知ってるの?

『これから話すところ。じゃ、考えといてね、』


考えなくたって、答えは決まっている。

そもそも、選択肢の意味があったのかも疑問だ。


(篠武…ぼく、頑張るね。だから、どうかぼくをあなたのものにして欲しい、)




だけど。

この三日間、彼女は逢いに来てくれない。

どうして?ぼくを避けているの?アンドロイドに愛されて、やっぱり気持ち悪いと思ったのかな?

それとも。

意図的に、逢わせてもらえないとか?ここの人たちに面会を阻止されてる?

本当にあの女の話を、信じてもいいの?



(頭、ぐるぐるする…。篠武、逢いたいな、)




「帯人、起きてる?」

部屋に入ってきたのは、いつも彼女が『まー君』と呼んでいる男だ。
そうだ、こいつなら…彼女に逢わせてくれるかも。


「ねぇ、篠武は?どうしてここに来ないの?」

「え?…ああ、そういえば来てないよね。ここのところ忙しくて忘れてたけど、…連絡してみる?」

来てない…やっぱり嫌われたのかな。好き好き押しすぎた?
でも、篠武だってあんなに興味深そうに、ぼくの話聞いてくれたじゃない。あんなにたくさん、ぼくの頭を撫でてくれたのに。



「…あ、もしもし篠ちゃん?帯人が淋しがってて……、え?まだ帰れないって、今何処に…誘拐?誘拐されたの!?なんで…、お菓子くれるって言われて付いてったって…何それ!?」



……え?



(その発想はなかった…、)

篠武が誘拐…本当に?どうしよう、ぼくはこういう時どうしたらいいんだろう。

(今、彼女はどんな状況に置かれているのか…痛いことされてないかな、苦しいことされてないかな、)

殺してやる…、ぼくの篠武に手を出す奴は、全部殺してやる…。


あまりの事態に落ち着きを無くしたぼくの隣で、男が怪訝な顔して眉根を寄せた。



「…でもさ、なんで電話に出られるの?」



…あっ。




36.

SIED・SINOBU


連れてこられた最初の二日間は、とりあえず大人しくしていた。
相手の正体も、目的もよくわからなかったから。
それに、案内された部屋は高層ビルの最上階の豪華な部屋。高級ホテルのスイート張りのそこで、提供される食事もおやつも申し分ない量と質。


つーか、何このVIP待遇。


でも、ここで『あの子』に会って。

大体の事情を察してからは、行動は早かった。




「んー、なんでって…ふふん、もうほぼ片付いたから。まだもう少しやることあるから、終わったらまた連絡するー、」

『何それ、よくわかんないんだけど…、大丈夫なの!?僕、何か手伝おうか?』

「いらない、」

『即答!?』

「あ、そこに帯人いるの?」

『いるよ、篠ちゃんを心配してる、』

「そか、愛してるって伝えといて!…じゃ、切るわー、」

『え、ちょt』


プッッ……、



寝そべったまましていた電話を電源ごと切って、勢いよく起き上がる。
加奈さんに喧嘩を売って、帯人に辛い思いをさせた挙句、オレを誘拐した奴の素性と目的は突き止めた。

ここのビルは、そいつの総本山…欲しいものは全部揃っている。



「さーてと、甘いお菓子貰いにいこっかなー、…ね、花園さん?」

「………、」

かつては正隆さんの部下だった彼女、そして今はただの裏切り者。



(美人さんに睨み付けられると、ゾクゾクするねー、)

彼女の歪んだ表情から刺すような視線を浴びせられ、オレは奪ったIDカードを明かりにかざして見せた。


続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第十三話

花園さん、第一章でちょっと出てきた研究員…覚えてる方はいないですよねー;

閲覧数:107

投稿日:2016/10/16 02:23:35

文字数:2,389文字

カテゴリ:小説

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