粛清を終えたミスティークの3人は、レオナルドの部屋へと戻っていた。女王に報告をする為にだ。

「終わったよ…リアーナ……」

 レオナルドが発する鈴鳴りの声が震えており、哀傷に満ちた表情へとなっている。大臣への粛清が、彼女を悲嘆に暮れさせていた。

「よく、やってくれた……ミスティークよ。そなた たちの働きは、この大陸の規律を護ったのじゃ。女王リアーナは…それに賞揚を惜しまないぞ……」

『はい、女王陛下。ありがとうございます……』

 会話を交える4人からの声に力がない。粛清したことへの後悔があるのだ。大陸の規律を護りし国の宿命は、責任を負わねばならない若者たちの心を悲哀にさせるのだった。

 しばらくの沈黙が続く部屋のなか。気分転換にとリアーナが皆にこう言った。

「くよくよしても次に進まない。明日はメテ姫の誕生日であるからな。その前夜祭としてアイスボーンへ、ひと狩り向かうぞ」

「リアーナ……やっぱりモンハンするの?」

「当たりまえじゃ! 1日の終わりはモンハンで締めるのが妾たちである」

 皆が沈んだ気持ちを明るくしようと促してはいるが、誘う張本人が涙を潤わせている。

「女王陛下、ご無理はなさらずに……」

 イザベラはリアーナの肩を優しく叩いた。彼は男性であるが、純粋な乙女心のわかる漢である。ミスティークの3人は、女王の抱える苦悩と葛藤を十分に理解していた。

 魔導国家ジャッロの裏で、このような“いざこざ”が起きたなか、フォレスタ・キングダムの寮内でクエストを受ける少女たちにも異変が訪れている。

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投稿日:2020/03/10 14:50:56

文字数:667文字

カテゴリ:小説

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