君の姿を保つには 毎日花を殺します

*

飴細工のように細い手足は
今日も伸びやかに息づいていて
笑って喋ってご飯も食べて
庭いじりの後、午後のお茶

*

今日の紅茶はダージリン
摘みたての薔薇のひとひらを
浮かべて飲んで、染まる頬
それは熱さでなく、色素

*

赤い花 青い花 黄色のや むらさきの
それら食べなければね
すぐにでもその体
止まるの

*

庭園の花が 減りはじめてる
今日はあの子が ジャムを作った
私のためにと 薔薇色の
(食べれるわけない!)お前が食べて?

*

花も草も枯れすたれていく
この家にはもう ジャム一つ

*

野にはたくさんの花
毎朝早く 摘みにいこう

*
*

そしてとある日 野も枯れた
博士は遠く 花を探し
いまだ子のもとへ 帰らない
二人のからだ 離れ枯れ

*

赤い花 青い花 黄色のや むらさきの
一つも咲いてない家
彼はただ帰りを待ち
止まる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

忘花露人の健全な生育/人植物

以前より、薔薇を点滴しながら紅茶を飲む人植物兄さんを描きたいなーと申しておりましたが、それが何だか変な方向に膨らんでしまいました。

*

植物から作り出された彼は、花の本分が抜け落ちており、花を摂取しなければ自分の体を保つことが出来ないのです。けれど、博士はそんなことを言えるわけもなく、自分は紅茶が好きでこうやって飲むと美味しいよと何とか毎日彼に花を摂取させています。
けれど、毎日摘まれていると花々の成長も遅くなり、だというのに摘まなければ彼は死んでしまいます。焦りを繰り返す毎日が過ぎ、そしてついに花が尽きてしまいました。以前、あの子が花で作ったジャムの小瓶が今の彼の生命線。しかしそれもいつかは尽きるだろう。
そして博士が思ったのは、野に咲いている花を摘んでくることでした。際限なく広がる世界の花だ、尽きることなどないだろう。しかし、それは際限の無い事でした。けれど博士は毎日花を摘みました。
そして、いつのことでしょうか、少しずつ摘んでいた花は、ついに世から尽きてしまいました。それでも博士は諦めまいと、遠くまで花を探しに行き、そのまま帰ってくることはありませんでした。お年でしたし、毎日疲れてらっしゃいましたから。
さて、家に残るは何も知らないあの子一人。ただただ、博士の身を案じ続けていました。

*

nayutaさんの「ウタウハナ」(http://piapro.jp/content/fzyotufhu4ev7wdp)では、永久の花と謳われてらっしゃいました。なので、その逆、今日にでも手折れかねない命をやってみました。
最初は、「野も枯れた」で終わりだったんですが、宙ぶらりんすぎるかなと。そして「止まる」まで書いたら、書きすぎたかと。

相変わらず、改造改変絶賛募集中です…!

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補足:一部の音と文字数

7575
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87
87
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75
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75 ほお
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4
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85
87
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85 すたれてく
85
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37
73/3
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85
75
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47
56
4

閲覧数:249

投稿日:2008/07/17 02:26:33

文字数:404文字

カテゴリ:歌詞

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