青い檸檬に対して思うこと

※これはあくまで作者としての私の思いであり、
聴いた方の解釈を否定する意図は一切含んでおりませんので
ただのこぼれ話として、興味のある方にだけ読んで頂ければ幸いです。



「今死んだら、頭の中にある歌の全てが誰にも聴いて貰えないまま終わる」
そういうことがよく頭を過る時期がありました。
死ぬ気はありませんでしたが、人間などいつ死んでもおかしくないのですから、いつ死んでも大丈夫なよう一刻も早く曲を作って世に出さなければいけないと思いました。
そんなときに一番早く完成させられたのが、青い檸檬でした。

さて、死別ととれるような歌詞を書いておいて言うのは憚られますが、
私は家族や恋人のような相手との死別を、そんなに経験したことがありません。
そんな人間が励ましの歌詞を書いても、口先だけの綺麗ごとにならないか。
そのことをずっと心配していました。
ですが他の没になった歌詞と違って、
この歌には不思議とあまり薄っぺらさを感じなかったのです。
ですから動画として投稿するところまでこぎつけたのですが、
それが何故なのか、最近になってわかってきた気がします。
私にとってこの歌は、別れを乗り越えた人による励ましでなく、
別れを不安に思う今の理想を描いたものなのです。
こんな風に立ち直れたよ、ではなく、
こんな風に立ち直りたいな、という歌なのです。
自分が何時でも死に得るように、
周りの大切な人も何時居なくなるかわからない。
私はそれが恐ろしくてたまらない。
そんなことが起きたときに自分がどうなってしまうかわからない。
だから、元気な今の私が思うことをここに遺しておきたい。
いつか苦しさに何も考えられなくなったときに、
確かにこんな瞬間もあったと示せるように。
それはきっと少しでも救いになって、希望であってくれると思うから。
心は化石にならないけれど、歌はきっと近いものになれると思うのです。

死ぬ前にこの曲を作り上げて、人に聴いて貰うことができて良かった。
曲という形で、私の化石(のようなもの)を遺すことができて良かった。

最後に、これはあくまで私の思っていることであって、
この歌の意味の正解という訳では無いことを分かっていただきたいと思います。
この曲のもたらすものが、誰にとっても私と同じ形である必要はないのですから。
ただ、一度でも誰かの口に合えばいいのです。
私の遺すものが、少しでも誰かの幸福に繋がってくれるならば、
それが一番だと思います。
このような拙い文章を、最後まで読んで下さりありがとうございました。
優しい貴方が心安らかな日々を過ごせるよう、文字の向こうで祈っております。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

青い檸檬に対して思うこと【私事】

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投稿日:2018/02/25 16:29:36

文字数:1,120文字

カテゴリ:その他

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