拝啓、ぼくのお友だち
もう桜は咲いたかな?
ぼくと君が会えたのも
こんな香りの頃ですね

あの時ぼくは淋しくて
駄々をこねては見栄っ張り
しょっぱさばかりで満たされてた
君に会うまでは

東の風が叩くから
ぼくは窓を開いたんだ
手探りで開けるぼくが触れた
君が連れる春


そうそう、ぼくのお友だち
まだあの樹はあるのかな
甘い木々に紛れてた
木蓮はもう落ちたかな

雨より優しく降る花は
柔く音無く触ってく
不意に口を撫でていったね
君だったんだろう?

西日がゆるり下りたから
ぼくは君を抱いたんだ
震え掴み掻く指が触れる
君が連れる春


それではそろそろ
おしまいです
どうか元気で
いてください

きみがくれた
ことのはの春は
いつまでもぼくに
あるのです

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【コラボに】ことのは【投稿】

最近参加させて頂いたコラボに自己紹介兼ねて投稿。

鵺となっても泣き続ける鶫へと宛てた、盲目の男の子のとあるお手紙。
春の名残香は暖かいほど、残酷なほど忘れられないというお話。

2015/9/29
改稿

閲覧数:164

投稿日:2015/09/29 22:41:10

文字数:333文字

カテゴリ:歌詞

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