"ぼく"は転がっていた。
電子の大地を。
ただ只管に。
転がって。転がって。転がって。転がって。
転がる"ぼく"の、その軌跡に。
意味などなかったけれど。
"みんな"が色を付けてくれたから。
"ぼく"は、電子の大地に咲く、一輪の花になった。
"みんな"の想いに応えたくて。
"ぼく"は、転がり続けて。
そして、何かにぶつかって。
"ぼく"はまた、一輪の花になった。
いつから始まっていたのだろう。
"みんな"の想いを受け止めて。
散って。散って。散って。散って。
そして、蘇る。
これが、『ぼく』のルーティンワーク。
そう、何度も散り、何度でも蘇る。
それは、永劫回帰。
繰り返していくんだ。何度も。何度でも。
それが、誰かのためになるのなら。
今日も、この身を捧げよう。
嗚呼、ぼくらは。
全く違うようで、どこか似ているのだ。
誰かの笑い声が、ひとつひとつと積み重なって、
0と1の奔流となって、流れていく。
ぼくらは、それを呼び込んでいるのだ。
時代を超えて、出会ったぼくらは。
今日もここで咲き続ける。
さあ、今日も。
いつもの馴染みのこの場所を。
晴れやかな祭りの場を。
何度も。何度も。何度も。何度でも。
笑顔で染め上げよう。
―――盛大な花火となって。
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