【ラフマニノフは彼になれない】

いつもその後ろ姿を追いかけてた
どんな者にも演じきった僕は
すぐ隣にいる君だけには
どうしても成りきれなかった
指先も 仕草も 声色も
まるで神様が決めつけたように
正反対で 背中合わせで
交わらない線の中に 僕らはいた

名コンビ そう呼ばれるくらい
君との時間はとても長くて
それゆえに壊れるのが怖かった
最初は憧れで 彼になれたなら
どんなに楽のだろうと だけど
彼の影は僕には 大きすぎたんだ

静かに落ちるピアノの音は
彼の言葉のように紡がれて
雨音のコーラスに指揮者は居ず
ただ彼のあとをついてくのだろう
僕は一人の演者 自分が可愛い演者
成りきれない役は無い
それなのに それゆえに
貴方に成りきれないのは
これはきっと呪いなのでしょう

いつもその後ろ姿を眺めていた
どんな者にも取り繕った僕に
すぐ隣にいた君は必ず
何があっても叱ってくれたよね
目元も 言葉遣いも 足元も
まるで神様が計算したように
正反対で 背中合わせで
ぬるま湯の海の中に 僕らはいた

名コンビ そう呼ばれもう何年
君との時間はあっという間で
気がつけばもう離れ難い程で
最近はそばに いることですら
どんなに幸せだろうか だけど
彼の影はそれだけ僕を傷つけた

静かに落ちるピアノの音は
僕の言葉を遮るように奏で
雨音のオーケストラは不協和音で
ただ彼の跡をしがみつくのだろう
僕は一人の演者 偽りのない演者
成りきれない役は無い
それなのに それゆえに
貴方の影が消えないのは
これはきっと鎖なのでしょう

初めて会った時から分かってた
この人には叶わないんだって
初めて声を聞いた時に知っていた
これは上に立つ人間の言葉だと
僕はちっぽけな道化役者
フールには永遠に勝てないのだと

静かに落ちるピアノの音は
彼の言葉のように紡がれて
雨音のコーラスに指揮者は居ず
ただ彼のそばを流れるのだろう
終わりのないテーマソングに

静かに落ちるピアノの音は
僕の言葉を飾るよう花を添えて
雨音のアンサンブル指揮者は君
そう高らかに 謳うのだろう
僕は一人の演者 自分が可愛い演者
成りきれない役は無い
それだけど それゆえに
貴方に成りきらないのは
これはきっと呪いなのでしょう

貴方に憧れてるのだから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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  • オリジナルライセンス

(作曲にどうぞ)【ラフマニノフは彼になれない】

憧れたけど貴方にはなれない。
きっとこれは貴方の隣に居る呪いなのでしょう。

重くもなければ軽くもない友人関係のお話。

※リクエストで頂きました。

閲覧数:65

投稿日:2018/12/27 07:14:26

文字数:967文字

カテゴリ:歌詞

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