神様の存在を知ったあの日から、僕ら3人は神様と一緒に暮らしていた。

でも、今日かくれんぼの途中で、

「神様が鬼だー!」

「隠れろー!!」

「いーち、にー、さーん…」

「あれ、神様…?」

「神様がいない…」

神様は消えた。


《モルモットと神様‐神様1‐》



僕は、神様なんかじゃ、ない。




一年前から僕はこの国の傭兵として働いていた。

理由はもちろん身分の低い自分が生きて行く為にだ。



最初はまだよかった。

けれど、最近は違和感がある。

「今日の依頼は以上で終了だ」

「お疲れ様、報酬です」

どれだけ銃で撃って、命を奪っても手に入るのは報酬だけ。

いくら戦争だからといっても、罪のない人々を撃つのには抵抗がある。

それに命を奪ったことの罪悪感が何より大きい。
人を撃つ度に心はすり減っていく。
失った物が多すぎるじゃないか…!



あの日も傭兵としての仕事で研究所を壊した。

嗚呼今日も罪悪感だけが残る――。
そう思ってたのに。

研究所にはあいつらがいた。
あいつらは研究所のモルモットだった。
それを察知した僕はらしくないことをした。

「お前らは人間だ」

なんて。

そう言うとあいつらは泣きながら言った。

「神様ありがとう」

…ありがとうなんて言葉言われたのは久しぶりな気がした。
いや、今まで依頼人に散々言われたけど、どれも心に残らなかった。

なんだか嬉しくて、僕はあいつらに話しかけていた。

「お前ら、名前は?」

「ジェシカだよ!」

「メアリー…です」

「GUMI」

せめてもの罪滅ぼしだったのだろう。
僕はまた、らしくないことをした。

「ジェシカ、メアリー、GUMI、しばらくかくまってやる。一緒に来いよ!」

その時僕もあいつらも笑顔だった。
なぜかあいつらと一緒に居たいと思った。

そしてあいつらは言った。

「神様だーいすき!」




次の日から僕はあいつらを自分がひっそりと住処にしている、今は誰も使っていない教会で匿い、一緒に暮らし始めた。

一緒に暮らして分かった。
ジェシカは明るくて陽気、
メアリーは大人しいけれどそれは人見知りということ、
GUMIはとても優しくて、勇気があるということ。

3人を匿っているのは上司に内緒だ。
見つかると非常にまずい。
きっと僕は解雇になるだろう。

そうなるともう暮らして行けなくなる。

それに、見つかるとあいつらも危ない。

だから、あいつらを匿って一年が経った今がお別れだ。
僕はかくれんぼの途中で姿を消した。

「じゃあな。幸せに暮らせよ」


今まで自分の安全しか考えていなかったのに。

『あいつらを危険な目に合わせたくない』

そう思った。

あいつらに会ってわかった。

僕の仕事は、偽りの正義だ。



下銭な僕に澄んだ瞳の君たちは合わない。




僕は神様なんかじゃない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

モルモットと神様‐神様1‐

おいでよメアリー!

おはようございました!姉音です!
第二部(?)泥棒と警備員のお話。
やっと神様編ktkr((

最初に少しモルモルSideで、その後は神様Sideです!
神様の口調はこれでいいのか…?
とりあえずキャラ固定。

神様の名前どうしよう…orz

むしろバケツ必須の本家様↓
モルモットと傭兵
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm17765900

泥棒と警備員(イマココ!!)
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm18122648

http://piapro.jp/t/t-Av】(モルモル編) Back← →Next 【?】

閲覧数:307

投稿日:2012/08/27 11:16:34

文字数:1,218文字

カテゴリ:小説

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