恋想プライオリティ

「ねえどうして座らないの？　いくつも空いてる席はあるのに。　無理してると本当に疲れたとき、もう座れなくなるから、座ろうよ。」



―――――
恋慕無き紙の如く恋すれば
片想いは両想いの後に訪れる
塵屑の様に哀れ捨てられた恋心
振り回され放され投げつけられて残る痛み

君の視界の片隅に散らつき蠢く
嘗ての恋心も風の中の塵
己だけこの身だけ眺め今があるのか
想うことも思うことも辞めて涙に耽る


妄想の中の透き通る恋物語
紙に書いて覚えた全ての解答は
頭の中の君は単語帳をひとつずつ
散し破り残す笑顔だけを

君の薄汚れた醜い感情も
身心裏表を投げ棄てる横顔も
貶める何者の慟哭を黙り殺すなら
全て消し去ろう！！！


曖昧な心壊されて 凹凸の箱切り取り埋め立て
「なら何故生きてるの？ 何故身を投げないの？」
真心求め塵に願い何を得たのか

それは恋想プライオリティ 優先席はすでに満席
誤想は十八番さ 冀求払い除けて
幻想も願わずにありのままで
愛して！

誰を捨てて誰を愛し誰を求めるか
自由のまま過ぎ行く 時の流れ
自己都合と理想だけ眺めれば
永遠に独りのままさ


愛されたいと願うだけ
椅子に例え嘆く
何も知らず省みず
黄昏は永久に



そこは恋想プライオリティ
己の理解だけを求める声
他人の痛みには気も止めさえしない
想わずして慕わぬ者を誰が求める？


ねえどうして座らないの？
いくつも空いてる席はあるのに
無理してると本当に疲れた時
もう座れなくなるから
座ろうよ


そして恋愛プライオリティ
哀哭の末に流れぬ水は
時とともに 流れ落ちて砕けて
想わず慕わず嘆く日々は戻らない