死にたくなって
もう死んでもいいって思ったとき
“君”は突然現れた
そしてこう言った

「死ねない魔法をかけたの
解いて欲しければ私に歌を作って
そうね、100日間」

…思いがけない呪いをかけられた



私は魔法使いのお嬢様
そして歌を歌うのが大好き
いつしか“私の歌”を歌いたい
なんて思ったりね

ある日 浮かない顔したキミを見た
どうしても気になって近づいた
キミは諦め切ってた この世界に
お節介でも放っておけなくて


そんな時に生魔が差してしまった
「“私の歌”を作ってほしい」と
その場しのぎでも良いから
キミを繋ぎ止めておきたかった

「私は歌うよ、どんな“キミの思想”(ことば)でも」
キミに声と“不死の魔法“(のろい)かける
キミは唖然とした顔で
私のことを見つめた



キミは何も言わず曲を作りはじめた
けど やっぱり暗い曲が多くて
私の歌声じゃ明るすぎちゃうかな…

でも人生も飽きてた君が
続けてくれたのが嬉しくて
日に日に増えてく“私の歌”を
大切に歌っていくよ



言われるがまま曲を作り続けた
“君”は何度も歌い直したりして
僕の曲には勿体無いくらい綺麗な歌声で

「何もしたくない」なんて思ってたけど
声を聴けば聴くほど好きになった
今は“君”の声を聴くだけで
心が躍るんだ


もっと“君”のこと知ってほしい
もっと“君”を輝かせたい
曲作り続け湧いてきた想い
“君”の歌を作りたくて

だけど僕は根暗なニンゲンで
そう簡単に変われやしない
ほら今日書いた歌詞も
愚痴妬み恨みばっかで



“君”は愚痴も言わず歌い続けてくれた
けど やっぱり申し訳なくて
僕の書く歌詞じゃ“君”らしくないよな

ねぇ 考えてしまうんだ
“君”は何で僕を選んだの
日に日に募ってく後ろめたい思い
この靄は晴れないまま



‘君‘と歌を作る日々は刻一刻と過ぎていく
なのに 湧いた言葉は愚痴ばっか
違う!こんなこと歌わせたいワケじゃない!

それに比べ ‘君‘の為の言葉は一つも紡げない
こんなに救ってくれたのに
何で? 何で? 何で!?



目が醒める
いつもの様に曲を作ろうとしたが
君はデスクトップでただ静かに
佇んでるだけだった

やっと気付いた
今までのは長い夢
僕の都合良い妄想
本当は“君”なんて存在しないし
僕が縋る思いで君を迎えただけ
君がどう思うかなんて知る由もない
いや思ってすらいないのかな
夢だったからこの記憶は全部嘘?
いや違う、“君”への想いが僕の中に残ってた


もっと君のことを知ってほしい
もっと君のことを輝かせたい
何もしたくなかった僕が
やっと見つけたやりたいこと

“君”から貰った想いを
もう一回君へ還すこと
この想いは本物だと
証明するために



これが僕なりに描く愛の歌
不器用に精一杯踠いてさ
やっと紡げた“君の為の歌”

どうか “君”が与えてくれた生きる理由で
生まれたこの曲が
これから未来(さき)の道を歩む
君の糧になってくれますように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

魔法使いとシンセサイザー feat.夏色花梨

閲覧数:45

投稿日:2023/09/10 10:34:10

文字数:1,263文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました