いつもいつも主人公の色は『赤色』
ほかの色はいつもいつも脇役の色

ある時5歳になった白色さんは、大人になった黒色くんに聞きました。
「黒色くん、黒色くん。」
「なんだい。白色さん」
「黒色くんは何で黒色なの?」
「うーん。むずかしいなぁ。まぁ、僕が黒色なのは選べなかったからだよ。」
「何を選べなかったの?」
「そこから先は君が考えるんだ。君が選ぶ時は迷わないように、ね。」
何を迷ったんだろう。
白色さんは考えました。
毎日毎日考えました。
すると、1つの答えが出ました。
「そうか、そういうことか。」
その答えが出た時は白色さんの10歳の誕生日。
色の世界では10歳になると神様に自分のなりたい色にしてもらうことができます。
人気があるのは『赤色』
ほかには『青色』や『緑色』、『黄色』とか。
女の子には『桃色』になりたい子もいます。
白色さんは私も目立つ色になりたいなぁと思いましたが、みんなが選ぶ色にはなりたくありません。
「白色さん、10歳の誕生日おめでとう。」
「ありがとう。黒色くん。」
「あの時の答えは分かったかい?」
「うん、分かったよ。でも…」
白色さんは迷っていました。
自分の色を決めるこの場所に立つまで黒色くんの気持ちが分からなかったのですから。
「黒色くん、私はどうすればいいのかなぁ?」
「……それを僕に聞くのかい?」
自分のなりたい色でいいと思うよ。
そんなことを言われてもなりたい色はたくさんあります。
『虹色』……。
選べなかったらその色にしなさい。
そんなことを家族から言われているのを思い出しました。
確かにその色はあまり選んでいる人はいません。
白色さんの理想にあっていました。
けれど、何かが違うと感じました。

黒色くんはなりたい色を選べなかった。
だからすべての色が混ざった黒色になった。
だったら『虹色』も同じ。

「決めた!神様、私がなりたい色は――。」
「それでいいのかい?」
「うん、神様。
黒色くんもありがとう。
私は自分の色を自分で作っていくよ。」
「いい答えだね、白色さん。」

私が選んだ色。
それは全てのスタートの色。
ノートもお絵かき帳も、最初はみんなこの色。
自分好みに未来も作っていける色だと私は信じている。
きれいな、きれいな色。
私はこの色が大好き。

「私は『白色』のままがいい!!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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あなたの色はなんですか?

短編、おはなし。自分の名前を赤色にした由来、夢の内容。

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投稿日:2018/03/28 01:16:59

文字数:982文字

カテゴリ:小説

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