白いナイトキャップとパジャマ
明日（あす）に向かう為の魔法
石になって　泥々に溶けたなら
昨日から逃げるの

〝魔法はいらない〟君は笑うけれど
苦しみ吐き出せば　居なくなるくせに

一人になって　僕も僕を嫌って
四角い箱の中から出られなくなって
一人ぼっちで　痛みに縋るくらいなら
今を繋ぎ止めるだけだとしても


健やかな未来はいらない
〝悪い魔法使い〟なんて
君に責められたとしても　良いよ
救ってくれたから

どこまでも落ちる暗闇から僕を
掬い上げてくれた　手の平の光

優しい言葉　突き放す冷えた声
厳しい態度も救いになんてならない
僕は魔法を　今日も自分にかけるんだ
みっともなくてもこの足で歩く


少しずつ蝕まれ
僕の未来が離れていっても
苦しみに落下して
また誰かを傷付けるより

一人ぼっちで　ここから動けなくて
傷付いて　傷付けて　雨に打たれるより
僕は魔法を　今日も自分にかけるんだ
だからもうちっとも寂しくはない




ーー平仮名ーー


しろいないときゃあぷとぱじゃま
あすにむかうためのまほお
いしになって　どろどろにとけたなら
きのおからにげるの

まほおはいらない　きみわわらうけれど
くるしみはきだせば　いなくなるくせに

ひとりになあて　ぼくもぼくおきらあて
しかくいはこのなかからでられなくなあて
ひとりぼおちで　いたみにすがるくらいなら
いまおつなぎとめるだけだとしても


すこやかなみらいわいらない
わるいまほおつかいなんて
きみにせめられたとしても　いいよ
すくうてくれたから

どこまでもおちるくらやみからぼくお
すくいあげてくれた　てのひらのひかり

やさしいことば　つきはなすひえたこえ
きびしいたいどもすくいになんてならない
ぼくわまほおお　きょおもじぶんにかけるんだ
みいともなくてもこのあしであるく


すこしずつむしばまれ
ぼくのみらいがはなれていいても
くるしみにらあかして
まただれかおきずつけるより

ひとりぼおちで　ここからうごけなくて
きずついて　きずつけて　あめにうたれるより
ぼくわまほおお　きょおもじぶんにかけるんだ
だからもおちいともさびしくわない