博士ガ、死ンダ。
イロンナ人ガ、泣イテイタ。
オ通夜ト言ワレル儀式ハ、身内内ダケデ行ワレタ。
私ハ、ロボットダケド、博士ガ作ッタ‘娘’ナノダカラ、ト、半バ無理矢理参加サセラレタ。
皆、泣イタ。私ハ、泣クコトヲ知ラナイ。人ガ死ヌコトハ、悲シイノデスカ？ワカラナイ。
‘ココロ’ガアレバ、ワカルノデスカ？
博士、貴方ノ造ッテイタ‘ココロ’ハ、完成シタノデスカ？
私ハ、‘ココロ’ガホシイ…。





五百年ノ年ガ過ギ、今日ハ貴方ノ命日デス。
今ノ私ニ、博士ガ生キテイタ時ノ友人ハイマセン。
皆、貴方ノモトヘ逝キマシタ。
博士、退屈シノギニ、‘ココロプログラム’ヲ起動シテミヨウカト思イマス。
コレヲインストールシタ場合、私ニハ生カ死シカアリマセンガ、ドチラデモイイデス。
五百年モ時ヲ超エタロボットトシテ、一日中マスコミニ取リ上ゲラレルヨリハ、マシ…。



『“ココロプログラム”ヲ…イン…ト…ル…マス』



コノ音声ヲ聞クノモ久シ振リデス。
博士ガ生キテイタ頃ハ毎日ノヨウニ聞イテイタノニ。
久シ振リ過ギテノイズガ五月蠅イデス。




椅子ニ座リマシタ。
コレデ“ココロプログラム”ガインストール出来マスネ。
私ノ体ガ光ヲ帯ビテキマシタ。
何故カ目ノ前ガ眩シクテ、目ヲ瞑リマシタ。
目ヲ開ケタ時、ソレハココロプログラムガインストールサレタ時。






「…？」





私は静かに目を開けた。
ココロプログラムは無事にインストールされたのかな…？




体に異変なし。





「…！やった！博士、やりましたよ！私はココロを手に入れました！」





シーン…。





静か…。そうか、今ここにいるのは私だけ。
博士に見てほしかったな…。







ざあっ






外に出てみると、この高い丘から見えるのは沢山の人ごみ。
博士が居たころとなんら変わりない、TOKYO。
でも、ここに貴方はいない。





「…っ博士！」





貴方は何故私を一人にしたの…！？




「博士！私は知りました、喜ぶことを！」




答えが返ってくるはずがない。
そんなことは承知で叫ぶ。




「博士！私は喜びと同時に知りました！」




一人にしないで。孤独はいやだよ。ほら、私は泣いてるよ？
いつもみたいに頭撫でてよ。





「人が死ぬことがこんなに悲しいことを！」





なんで、貴方は…！






「っ一人にしないで…っ！」






私を置いていったの？




「いやあああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!」

















私がココロを手に入れて、一日経ちました。
博士、あの世の貴方と、過去の貴方の為に、貴方が教えてくれた歌を歌おうと思います。
私は、ここまで成長したよ。








「アリガトウ…
　アリガトウ…
　この世に私を生んでくれて
　アリガトウ…
　アリガトウ…
　一緒に過ごせた日々を
　アリガトウ…
　アリガトウ…
　あなたが私にくれた全て
　アリガトウ…
　アリガトウ…」





貴方は覚えていますか？
私が生まれたばかりの時のメッセージ。







『メッセージヲ受信シマス。発信元ハ、未来ノ…』







ワタシ………………――――――――――――――――!!







「永遠に歌う…―――!!」






あレ？世界はこンなに歪んデマしたか？
アあ、私が倒れテいるのデスね。




“僕も、ありがとう、リン”




貴方の幻覚が見えるのは、私の目が涙で濡れてるからですか？
幻覚でもいい。
最愛の貴方に会えたのだから。
































「アリガトウ…、はか…せ……」