青い空
白い雲
流れる風
今日は、とてもいい天気だ。

メカクシ団のアジトには、カノとキドしか居なかった。




―精一杯の愛を伝えて―




「ねぇ、キド」

「何だ」

「暇なんだけど」

「そんなの、とっくに知ってる」

僕は、さっきからそっけないキドを見ながら、ぶー、と口を尖らせた。
メカクシ団アジトには、今日もいつもと同じ空気に包まれている。

・・・はずだった。

「キサラギちゃん達、楽しんでるかなー?」

天井を仰いで言うと、キドもようやく

「・・・楽しんでないと困る」

と、僕と同じように天井を仰ぐ。

そう。
今日から1泊2日で、僕とキド以外のメカクシ団全員が、温泉旅行に行っているのだ。

でも・・・

「ねぇ、キド」

「何だ」

「・・・暇、なんだけど」

「さっきからうるさい、知ってる」

こんな会話が、今のを合わせて かれこれ7回目。
暇なのだ。凄く、物凄く。

僕は膝の上に乗せていた雑誌を読み終え、ふぅと息をついた。
そして、キドの方を見る。
キドはやはり、さっき見た時と同じような格好で、パラパラと雑誌のページをめくっていた。

綺麗だな・・・。

昔から、そう思っていた。
涼しげな横顔も、降り曲がっている足のラインも、キドの存在自体が。

「ねぇ、キド」

「おいカノ、さっきからうるさ・・・」

キドの言葉をさえぎって、僕は口を動かしていた。





「好きだよ」


僕の言葉に、目を見開くキド。
みるみる頬を赤くしていく。

そして、サッと視線を戻すと

「そうか・・・」

と、言って、ぎこちない動きで雑誌のページをめくった。


「キドは?」
そう聞くと、もう一度僕を凝視する。

沈黙の時間が流れた。


そして、ついにキドが、ぽつりと言ったのだ。




「嫌い・・・じゃない・・・ぞ」


精一杯の愛を伝えて―・・・。




END

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

精一杯の愛を伝えて

はじめましての投稿です('ω')
カゲロウプロジェクトの、カノキド小説。
Foooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!
カゲプロ大好きです、
キド受け、カノ攻めに限るなぁ...(*´∀`*)

楽しんでくれたら嬉しいです。

閲覧数:1,898

投稿日:2013/01/18 20:54:38

文字数:802文字

カテゴリ:小説

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