「よーし、この辺の壁に、青い星を光らせよう」
デフォ子さんは、店内の見取り図を広げた。
カイくんは、カフェテーブルの上に、彼女が書いたランチョンマットを並べてみた。

「なかなかいいじゃないですか、シックで」
「だよね」
カイくんの言葉に、デフォ子さんはちょっと得意げだ。

彼女たちが取り組んでいるのは、「クロミク・カフェ」の内装だ。
テトさんたちのお店「カフェ・つんでれ」で、期間限定の開催ながら、
雑貨好きの人に人気の、クロミク・スタイルをモチーフにした、コーナーを作ることになった。


●シックな黒に、青い星

カフェのプロデュースをするのは、キディディランドのカイくん。
店内のコーナーのデザインと飾り付けは、デザイナーのデフォ子さんだ。
彼女は、コースターやランチョンマットのデザインも担当している。

もともと、クロミクの絵柄は、デフォ子さんの手によるものだ。
彼女は事務所の仕事を、スタッフのまる子さんにまかせ、
しばらくこのクロミク・カフェに力を注ぐ。

やわらかい黒色に、ぽつぽつ青い星が散りばめられているデザイン。
クロミクは、ネコの仮装をした女の子がモチーフだが、
グラフィックのデザインは、テキスタイルのパターンで、模様や記号などが多い。


●黒がモチーフのカフェ!

場所となるテトさんの「カフェ・つんでれ」は、もともと北欧雑貨のお店だ。
海外に買い付けに行っている、店長のモモちゃんに代わって、
シェフのソラくんと、ルコちゃんが、今回のクロミク・カフェに力を貸している。

カフェの料理のメニューは、“黒”い色がモチーフ。
まず、ソラくんが腕をふるった、黒い色の「クロミク・カレー」を用意。
そしてドナドナ号のツナちゃんのレシピ、「イカスミ・パスタ」も揃えている。
お客さんがクロミク・デザインのグッズに囲まれて、お茶を飲み、食事ができる。


●お歯黒・カフェ

「来週からスタートだね!張り切って行こう!」
デフォ子さんはノリノリだ。
「おかげで、良いコーナーになりそうですよ」
カイくんも満足げだ。

メニューの目玉、ルコちゃんの特製コーヒーを飲みながら、デフォ子さんはひらめいた。
「そうだ。イカスミ・ソーダ水はどう?」
「...なんですか、それ」
ルコちゃんは身構えた。
デフォ子さんは、アイス・コーヒーをソーダで割って飲む、味覚の持ち主だからだ。

「濃いイカスミを、ソーダで割って飲むんだよ」
「ボツ!」
ルコちゃんは即断した。

カイくんは苦笑いした。
「カフェに来た人が、帰りにはみんなお歯黒になってたら、ちょっとまずいよね」   (;^_^A

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玩具屋カイくんの販売日誌 (71) クロミク・カフェ、スタート!

「“クロミク・スタイル”は、キャラクター・グッズではなくて、抽象的なデザインやパターンの雑貨です。黒を基調にした、“無印良品”の世界みたいなのがテーマです 」...と、カイくんが言ってます(笑?)

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投稿日:2010/08/21 14:01:07

文字数:1,099文字

カテゴリ:小説

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