あの日見た夏の空
変わりゆく時代に変わらない色
幼い頃に見た記憶
目線を上げて見つかるものがある
あの道の先はどうなっていて
隣駅はどんな場所なんだとか
今なら歩けるし自由も効くから
案外簡単に手が届いてしまう

わからないことなら知ろうとしたから
わかることばかりになる筈だ
実際は知らないことが増えた
世界は一人の手に余るほどの広さだ
だけど予測ができてしまう
この町の地図に路線図
世界の裏側の写真を見て
探求心の薄れを感じる

その気になればどこへでも行けるから
行けない理由を並べ立てた
手を離した風船のように
どこまでも飛んでしまいそうで
安定化した日常のループは
簡単に崩れてしまうこと
その事実に気づきたくないから
自分を縛りつけていたんだ

日々は過ぎて思い出となる
不安な未来もすぐ過去となる
記憶容量に限りはあるから
大事なことを優先して刻む
昔のことをよく思い出すけど
最近のことが思い出せない
いつからだっただろうか
今日を大事に思えなくなったのは

もういいかい
もういいよ
今なら見つかるかな
遠い日は戻らない

沈む太陽が照らす帰り道
明日も明後日も同じように繰り返していく
空地に家が建って
少し背が伸びて
変わらない日々にも
終わる時が近づいていく

夢で見た景色
あの日あの場所で笑う君
夢に見た景色
あの日あの場所で笑う君
記憶は掠れていくから曖昧に
良いことばかりを反復して
今に目を背けている限り
満たされたままでいられる

お腹が鳴って喉が乾いて
鮮明になる現実世界
呼吸を意識して初めて
心臓の動きを認知する
満たしたグラスに水を注いで
溢れてもう掬えないような
取り返しつかない感覚に
追いかけ回され続けている

希望はないけど絶望もなかったんだ
このまま続いていく当たり障りのない日々だ
そんな今の自分に絶望できたなら
光を求めてまだまだ先に進めるよ

きっと旅の途中だ
未来は見えないから
目的地も未だ定まっていないままだ

変わり続ける世界
見失いそうになるけど
いつかの空の色
今もそこにあるから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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メモリ

閲覧数:81

投稿日:2022/04/04 21:13:02

文字数:877文字

カテゴリ:歌詞

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