「ヒナタくん!今度のデートどこ行く?」
ヒナタの恋人であるサキは嬉しそうにそう言う。
「サキさんはどこか行きたい場所はあるの?」
恋人達は次のデートの話を続ける。
ヒナタに恋人ができたのは人生で初めてのことであった。
そのことを知ったヒナタの友人達はそれはそれは驚いた。
だかヒナタは妹のリンにそのことを伝えなかった。
うっかりヒナタの友人がリンに話してしまいリンは兄に恋人ができたことを知ったのである。
ヒナタはリンに伝えようとしたが、ある想いがそれを止めてしまった。

「もしもリンに彼氏ができたって言われたら、俺は・・」
「そんなの聞きたくないし、知りたくない・・!すごく嫌だ・・」

ヒナタは小さい頃から自分がされて嫌なことは人にしないというポリシーがある。
妹が兄に彼女ができたと聞いてどう思うかはわからないが、自分が妹に彼氏ができたら嫌だという気持ちが妹リンに伝えなかった本音である。
2人が付き合うことになったきっかけはサキがヒナタに告白したから。
サキはクラスでも人気のある少女だった。
美人で明るく友達も多くて憧れていた男子も多い。
だがヒナタもヒナタで女子の憧れの的であり、このビッグカップルの誕生には誰もが納得したと言う。
だかヒナタの友人達の中には疑問をいだく者もいた。
ヒナタは女子の憧れの的でありながら人生で1度も彼女を作ろうとしなかったからである。
ヒナタは恋愛に興味がないわけではないが、ヒナタをよく知る幼なじみからは祝福と同時に心配の声もある。
ヒナタはサキに告白された時に思ったのだ。

「彼女ができれば、リンのことを忘れられるかもしれない・・」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

好きって言えない!(2)

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投稿日:2023/08/13 20:29:57

文字数:691文字

カテゴリ:小説

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