あぁそうだ。僕は道化になろう。
君を喜ばせるためのピエロだよ。
さぁ、僕を笑ってくれよ。
さぁ、僕を罵ってくれよ。
あぁ、その悲しげな目で僕を突き放しておくれ。
僕のいない所で君は笑っていてくれ、それだけで僕は生きていける。
そして、いつか僕より素敵な人と出会って、幸せになって、家族が増えて、君のそんな未来を願ってる。
だから、僕は道化になろう。
君と離れるための嘘吐きになろう。
君を傷つけるための言葉はたくさん出てくる。出てくるのに、僕の中の何かが邪魔して言えないんだ。
君を傷つけるどころか、喜ばせる言葉しか出てこないんだ。
君はずっと笑ってる。僕の言葉一つひとつに笑ってくれる。そんな君のこと嫌いになれる訳ないじゃないか。
それでも、僕は、嫌いにならなければならないんだ。君の本音はわからないよ。わからないからこそ、僕は離れなきゃいけないんだ。
君が今よりもっと幸せになるために必要な事だよ。
君が笑って、悲しむことがない。そんな未来にするために必要な事だよ。
僕は嘘吐きさ。今なら言えるかな君を傷つけるその言葉を。