BPM =188
D dorian（またはMTL #7）

(Voicevox)
何年も前に作られた押し花の栞を本の間から見つけ、
その花がどこに咲いていたのか、なんの花なのか思い出す旅をする
そんなふうに失われた青春を、
革命や変革のシュプレヒコールに昇華させる

ニュースで噂のArmyの連中が溺れるエクスタシー
無能な奴らがプリンセス・パラドックスに向けるアドレナリン
クリスタルに導かれし勇者はいつだって自分自身
ジュブナイルのvoidな喋りは、詰まるところ自己賛美

(Neutrino)
子供の頃夢見てた 花で囲まれた世界
酸っぱいイチゴを載せた
血溜まりみたいなパフェ

スカートに摘んだ花を
溜めてママに見せたわ
ママの喜ぶ顔と
クラスの男子の赤い頬（ほお）

このまま友達でいようか
——縁を切ってもいいかな
ふたりいっしょに、飛ぼう、か
花占いで決めた
スキ、キライ

(Voicevox)
ニュース速報の22番は今日で1週間経った
彼はもうそこには居なくなって、花のような姿で沙羅双樹
皆で席を並べて、ポップコーン片手に憎悪の国歌を斉唱する
双子コーデは最小単位のマスゲーム
都合よく切り取ったネガティビティのチルドレンに物申す
コマーシャルなエンターテイメントとしての怒りをオーバードース
フラストレーションを再結晶したリビドーを吸ってアガる心拍数
無名の発言とエゴを許さない時代の寵児のナラティブ

(Neutrino)
ヒロインにはなれなかった
いつも誰かの支えでさ
子供も大人もずるかった
摘んだ花の痛みに泣いた

赤の滲む靴下
ママが買ってくれたの
オトナになったあの日に
ママだと思って捨てた

ランドセルに花の種
×××（オンナノコ）の日の夕方
ナイショを踏み荒らされた
無垢な心が千切られた

(Gt. Solo)

(Neutrino)
「おはよう」と言った笑顔の
眼差しに混じる嘲笑
優しさを弱さだと言った
あの子の花びらは散った

「ずっと友達でいようね」
——縁を切ってもいいかな
ひとりで勝手に、飛ぼう、か
花占いで決めた

大人になった朝の歌
夢が夢で終わっちゃった
私のナイショは誰のもの？
占いの花びらを千切った
スキ、キライ（キライ、スキ）

(Voicevox)
みんなと同じは気持ちいいね？
強い言葉は気持ちいいね？
優しさを弱さだと決めつけて、
自分が強くなったフリをするのは気持ちいいね？
みんなと同じは気持ちいいね？
信念に依存するのは気持ちいいね？
弱さを無力さと結びつけて、
自分の好きな人だけと触れ合うのは気持ちいいね？
弱い人間をコントロールするのは気持ちいいね？
棒で叩くのは気持ちいいね？
自分の言葉が、振る舞いが、思想が、
他人を歪めるのは気持ちいいね？
「こいつ弱いぞ」の鈴が鳴れば、
いつだってその子をカモにできる
パブロフの犬になるのは気持ちいいね？
ありもしない怒りにかまけて、
脳内モルヒネに酔うのは気持ちいいね？
誰かを傷つける言葉を力いっぱい叫んだりするのってさ、
気持ちいいよね？
自分の考えだけに酔いしれてさ、
私との対話を拒絶するのは気持ちいいよね？

もっと、気持よくなろうね

(Neutrino)
子供の頃のあこがれ
ドレスで飾られた花
孤独に咲いて、放って置かれ（ほっとかれ）
——恨まれもせず、愛されず

頭の中でひとりでに
リズムを刻む足音が
私の無垢を踏み躙る
足跡に埋まる花びら

いつもどこかがほつれてた
綺麗なものはそれだけだ
占いの花は泣かない
黙って捨てられた

キライ、キライ、キライ

(Voicevox)
芽が出て膨らんで、花が咲いたら枯れちゃった
ジャンキーに都合よく買われちゃった
魔法のパウダーで空まで飛んで
墨を流した夜に、メントールの香る中枢神経
ユニコーンの脈動を粘膜で感じる熱
レインボーに陶酔して白熱する正論へのレス
羨望が漏水して吐くえげつないロスの臨月
聖水の溜まる場末にぽつり、体液の交換に痺れる頚椎
理性やロジックは減衰、ずるいアパシーに泥酔

それが大人になることだってわかってから、
「大きくなったね」の褒め言葉が嫌いになった