ゆくりさんのお店、「ゆっくり」にやってきた、ホソノさん。

お店に並んでいる、いろいろなキャラクター雑貨を見ながら、話をしている。

「あら、その月光企画っていう会社は、どういうところなんですか?」
ゆくりさんの問いに、彼はうなずいて答えた。
「ええ、ま、いろんなヒット商品を、出してる企画会社、なんですけどネ」
そういって、彼はスマホを出して、ページを開いた。

「この前ヒットした、ほら、この“コップのプチ子”というヤツ」
「あらー、それ、知ってますよー。うちの店でも、とっても売れたんですもの」
ゆくりさんは、うなずいて大きな声で言った。

「この会社…月光企画と組むと、ものすごいヒットが生まれることがある」
ホソノさんは、思い出すように、つぶやくように続けた。


●商品のイメージが…

「でもね」
彼は、ふと顔を上げていった。
「ボク個人としては、どうも、あそこと一緒にやる気は、しないんですけど」
ゆくりさんは、目を丸くした。
「あらー、どうしてでしょう」

「月光企画ってところは、さっきも言ったように、ガチャとか、クレーンゲームみたいなモノをするのが、得意なんですよ」
ホソノさんは、説明した。
「でも、あんましそういう、景品みたいなのをやると、商品に、安っぽいイメージがついちゃうでしょう」

「うーん、そうかも知れませんねー。でも、それもそんなに悪くないと思いますけど」
ゆくりさんは、自分のお店の中を見回して、言った。

彼女のお店は、キャラクター系の雑貨も多く扱っている。売り場の一角には、ガチャのマシーンも沢山並んでいる。


●変わった人がいるんです!

「うん、ガチャが悪いと言ってるわけじゃないです」
彼は、ほほえみながら言った。

「ボクはね、今度のテト・ドールの新製品、けっこう期待してるんです」
彼は、親指を立てていった。
「テト・ドールでは、ナチュラル感をベースにして、女性ファンを大事にして、ドールやアパレルをやっていきたいんですよ」

ゆくりさんは、うなずいた。
「そうねー。ガチャとかのファンは、男の子たちが多いですからねー」
彼もうなずいた。

「でも、“ナチュラル感だけじゃ、売れないでしょ”なんていう声もあって」
「あらー、それが、その月光企画というところの、意見ですかー」
「ええ、そうです。オサカモトさんの、ね」

ホソノさんは、ほほえみながら言った。
「月光企画には、オサカモト・ミウさんという、とっても変わった人がいるんです」「(゜ペ)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

玩具屋カイくんの販売日誌(229) テト・ドールの販売プラン?

新製品の売り方。先の先まで考えないといけないので、難しいですね。

閲覧数:59

投稿日:2014/03/09 20:20:36

文字数:1,050文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は、毎日寒いですね。

    さて、今回は”オサカモト”(教授が元ネタですね)さんと、ミゥさん(これはボカロのMewが元ネタですね)の登場と同時に、”ガチャやクレーンゲームなどのプライズ”の位置づけのお話ですね。

    卸して新品を扱うお店では、プライズの”オークションでの落札値や価値”って関係ないと思うのですが、如何せん、一番くじやガチャやクレーンゲーム等のプライズ品は、

    『取れた、ゲット出来た、当たった、時までにつぎ込んだお金が、そのプライズ品の自分の中での値段』

    になる割に、なかなか当たらないプライズは、ボックスショップやオークションで、高値取引、高値買い取り、だったりして、正直、最近の賞品の価値って、わからなくなってますよね~。昔は、”アンティーク品は価値が高いから、取引値も高い”って昔ながらの意味合いで高かったんですけどね。

    それと、プライズ品が安っぽく作られる、っていうのも、最近のプライズ賞品を見ると、どーも変わってきているようで、かなーり気合いが入った出来映えで、だから故に、

    『何コインもつぎ込んでも、欲しくなる』

    って思わせるのでしょうね。

    勿論、お店で流通されている正規商品(オープン価格でも値段がちゃんとある品)の方が、しっかりしていることは、買う側もわかっているのですが、こう、プライズ品の出来が良くなるにつれ、あー、会社も困っている面もあるんだなぁ、と思ってしまいます。

    ではでは~♪

    2014/12/07 17:13:30

    • tamaonion

      tamaonion

      enarinさん
      メッセージを有難うございます。

      寒いですね。今年は暖冬という予報もありましたが、これからはどうでしょうか。

      >昔は、”アンティーク品は価値が高いから、取引値も高い”って昔ながらの意味合いで高かったんですけどね。

      そうですね。プライズは最近は、登場した時点で価値の高いものもありますね。

      人気がないものは、すぐにマシンから消えますし。
      それが、後に希少価値が出たりして、ますます複雑になりますよね(笑)


      >それと、プライズ品が安っぽく作られる、っていうのも、最近のプライズ賞品を見ると、どーも変わってきているようで、かなーり気合いが入った出来映えで

      そうそう、結構良く出来ています。作る方も妙に気合が入っていたりして(笑)
      こういう器用さは、日本人ならではですけど。

      私事では、この間、気まぐれに「パーマンバッジ」のガチャをやりました。
      パーマンなんて、マイナーな題材なだけに、早々にマシンから消えましたが...

      こんな風に、マス向け(大衆ウケ)だけでないネタもあるので、奇々怪々な世界ですけどね(笑)

      感想をありがとうございます! また、ぜひ聞かせてください。
      では、また。

      タマネギ

      2014/12/14 14:25:37

オススメ作品

クリップボードにコピーしました