Hameln / 立枯

みっともないな　達観の権化
獣になって
飄々として諦観の逢瀬
そこをおどき

我を張って不幸になって
あれよあれよと都落ち

ちっともないな　人間の尊厳
あとは化け物になって
堂々として栄冠の凱旋
返り咲き

輪になって幸になって
不孝者ども引き連れて

ありきたり他力本願で改心
否定するさ　その諸行無常
行ったり来たり当たり前だった日々は
戻らない　戻らない

もう泣いてないでこっちおいで
その感情は劣等を知るだけ
痛いぐらいに溶け落ちた
熟れた果実で腹を満たして

繰り返せ　その現状　情動
犯さぬ罪から　許されたい

探し当てた解答 売り飛ばして煩悶
見え透いた嘘すらもうとうに無い

破り捨てた肖像　怒りの象徴トールも
暴動の挙句膝をついて

嗚呼　君は舞台上のハーメルン
緩やかに溶けた平坦な日々を
愛せない 愛せない

さあ泣いてないで前を向いて
縋る者には祈りとパンを与えて
痛みを知ったその先に
鳴り響く楽園の音を信じて
受け入れて　この平穏　平等

愛し方なら学校で習ったわ

ねぇ笑ってないでこっち向いて
亡者の成りした未来に価値はない？
暗く沈んだ水の底
淀み　掻き混ぜ　聞こえぬ笛の音

振りほどけ　今　迎合　stageを
舞台上には誰もいない

舞台上には誰もいない