「スズミさ~ん…。」
「木徒ちゃん、おはよ…って、どうしたの?!顔が真っ赤だよ?!」
「えっと…ちょっとだけ熱があるみたいで…。」
「熱って…。」
木徒ちゃんの額に手を当てるとかなり熱い。ちょっと所じゃない高熱じゃない!昨日お風呂に落とされたって聞いたけどそのせい?!真っ赤な顔でフラつく木徒ちゃんを支えながら少し考える。…誰を呼ぼう…何か誰も呼び辛いなぁ…。
「木徒。」
「ひゃっ!!…あ…ぅ…。」
「熱があるのに抜け出しちゃ駄目じゃないか。こんな真っ赤な顔して、ん?」
「やっ…!自分のお部屋に帰るのっ…!」
「う…詩羽さん…?木徒ちゃん…?」
状況判断に手間取ってしまう、だって昨日木徒ちゃんは詩羽さんにお風呂に突き落とされたんだよね?それに凄く怯えてたよね?なのに、何この2人の空気は…?とてもあんな事あったとは思えないんだけど…。
「スズミさぁ~ん…。」
「ど、どうしたの?!」
「駄目だよ、ホラ、風邪感染しちゃうだろ?良い子だから。」
そう言って詩羽さんが熱でうるうるフラフラな木徒ちゃんを優しく抱え上げる。観念したのか木徒ちゃんは子犬の様に大人しく身を任せてる…。一体どうすればこうなるの?!
「あ…あの…どうしたんですか…?2人共…。」
「ん?」
「その…昨日と全然違うと言うか…。」
「ん~そうだねぇ…素直な良い子になったご褒美って所かな。」
「ちょ…詩羽さん…!」
「暴れないの、昨日はあんなに素直で良い子にしてたのに。」
「誤解を招く言い方しな…!あぅ…クラクラする~~ぅ…。」
「詩羽さんそれは犯罪です!」
「心配しなくても手は出してないよ、流石に。」
不適な笑顔で言うと、詩羽さんはそのままスタスタ歩いて行ってしまった。素直な良い子?それにご褒美って…。手は出して無い、って言ってたけど何かあの人絶対危ない気がするのよね。こう、女の敵みたいなオーラがそこかしこにビシバシ感じるし…心配だなぁ…。でも聞く訳にも…。
「一晩中看病してたみたいだな。」
「えっ…?!あ…羽鉦…さん…。」
気まずい、そう思ったけど、羽鉦さんは人差し指で唇に微かに触れた。『言わないで』のサインだった。今迄通りに振舞う事、それが私に唯一出来る事なのかも知れない。
「え、じゃあ一晩中木徒ちゃんお部屋に?」
「そそ、で、びっくりした木徒が逃げ出した、と言う訳だ。」
「普通しますよ、大丈夫なんですか?」
「…多分…。」
時々思う…此処にはまともな人少ないんじゃ無いかなぁ…って。
BeastSyndrome -30.何があればそうなるの?!-
弱っている人間は色々脆いです。
※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。
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すいませ~ん
「一晩中看病してみたいだな」のセリフは
「一晩中看病してたみたいだな」
ではないのでしょうか?
違ったらすいません
2010/06/07 16:09:25
安酉鵺
おぉ、ほんとだww訂正しましたwwアザースw
2010/06/07 16:13:58