祭り囃子が好きじゃ無かった
楽しげな音と遠ざかる足先
何十回と違和感を感じて慣れた
「あぁここは私の場所じゃ無い」って

小さな頃みたいに何も考えずに
欲しい物ねだってわめいて駄々こねて
迷子になっても意地張って泣かないで
見つけてもらったらやっぱり泣いちゃって

似合わないって思えば思う程に
聴くだけで申し訳なくなってさ
ちょっとでも期待しちゃった私は
意味もなく笑うしか出来なかったんだ


だからってお祭の片付けも寂しくて
消えていく灯りを見て安堵できなくて
身勝手だなぁってほら笑うところだよ
ねえなんか喋ってよ泣いちゃうじゃん

同じ場所で同じ服着て同じ物食べて
いつも一緒でも全然揃わなくて辛い
笑うのだけが上手くなってしまって
みんなの記憶には私の笑顔しか無かった

相応しくないって考えれば考える程に
居るだけで申し訳なくなっちゃってさ
ほんの少しだけ振り返っちゃった私に
居場所なんてどこにも残ってなかった


真夜中の目抜き通りをひとりで歩いた
さっきまでの喧噪が仮想空間みたいに
綿あめリンゴ飴フランクフルトの棒っきれ
これが本当に仮想体験だったら良いのに

ねぇ転がってるくじ引きのお人形さん
私をどこかに連れてってもらえますか?
ねぇ側溝に落ちそうな玩具のヘリコプター
私をどこかに飛ばしてもらえますか?

仲良くしなよって並べるの公園の真ん中
手を振るのも申し訳なくなっちゃってさ
最後まで味方で居てくれたあの子は
意気地無しって叫んでそれっきりだ


私が怪物になってお祭を飲み込んで
正義のヒーローに倒されたと思えば良いよ
これで終わったと思うなよって捨て台詞
本当はもう全部終わってるのにね

怪獣になって色々壊して暴れたりしたら
誰かが私を消してくれる理由が出来るのかな
悪い事するほど肝が据わってる訳でも無いし
怪獣ってどうやってなるのかな?ガオーッ

朝が来たよって鳥の声に身震い
光を浴びるのも申し訳なくなっちゃってさ
影も作るのすら違和感でしか無くって
でも大丈夫大丈夫影の主はもういない


最初からそこにはなにもなかった
ずっとそう言って欲しかった


お祭で可愛い浴衣着てみたかったな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

お祭の日に怪獣

閲覧数:242

投稿日:2021/06/02 20:31:19

文字数:918文字

カテゴリ:歌詞

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