賛成雨


絵空事 描いた十人十色
ここにあるのは何にも染まる白だけ

いつかそんな未来を嫌ったのに
何も出来ずにただ立ち尽くしていた


平穏を望んだ 笑われることを恐れた
周りの色を真似た

自分の色を忘れた そんなフリをしていた
嗚呼 世界は今日も綺麗だな


降り注ぐ賛成雨 全て溶かしていく
色も言葉も心も

出来た水溜りが 消えたその後で
僕らはまた嘆くのだろう



「それなら」なんて言うのは簡単で
だけどこの足は動いてくれなくて

いつかそんな 不格好を嫌ったのに
気が付けば自分があの日見た背中


隠してきた色が その数を増やすことに
気付かないフリをしてきた

周りの色を信じた 二足歩行量産型
また歩幅を合わせた


降り注ぐ賛成雨 全て溶かしていく
色も言葉も心も

誰にも届かない 僕の心の中で
隠した色が叫んでいる



やがて頬を涙が伝った
心の色が滲み 滴り落ちたいった

そしてそれは一輪の花に
鮮やかな色をつけた

例え世界が白く染まっても
この色は守り抜かなきゃ

僕は僕を諦めるわけにはいかない
降り注ぐ賛成雨 全て溶かしていく


色も言葉も心も
けれど僕は僕だ この世に唯一つだ

それだけ抱え 何処へでも行こう
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