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気持ちのいい朝につき2

「私の任務は、世を害す人ならざる者の排除、説明はそれ以上いらない」

 私は始めて目の前にする異形の物に畏怖を覚えた。感情、理性、思考、目的すら感ぜられないくせに生命としての形は歴然と存在する。無と有の完全なる混合、いや分離。
小刻みに全身を震わせ言葉を失った私にセオリアは、

「まあ、運が良かったじゃないか今回は小物で。大変だな記者とやらも」

 そう言うとすっと立ち上がり、その反動と呼べるかも分からない静かな挙動を利用して全身をバネのようにしならせ、敵へと飛び掛る。

 私はそれを認識できなかった。”神速のセオリア”と呼ばれている所以である。

 気が付いた頃には辺りには化け物の肉片、贓物、体液が散らばっており、セオリアは元の席に座ってなかなか火の灯らないライターにいらだちながら店員を呼んで、今日は店守ってやったからタダな、とにんまりと微笑んでいた。

 帝国軍の中でも一、二、を争う特殊戦闘員の取材をかってでたことを私は後悔していた。

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投稿日:2015/12/09 19:49:04

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カテゴリ:その他

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