書いては消した
文字ひとつ
言葉にできなくて
ペンから垂れたインクが
藍に滲んで答えになった
掠れていく三拍子
落ちてきた花弁の囁き
置いていく
桜の咲く頃に
逃げ出したくなったんだ
君だけを書いた
ノートの上
舞って
綴った文章はありきたりだけど
そのままで踊って
君だけ描(えが)いた
空っぽな僕にはもう真っ白
線をひとつ飛ばして
糸を手繰り寄せるように
冬が過ぎていく

書いては消した
未だに
言葉にできなくて
もう何度も試した塵(ごみ)だけが
床に散らばっている
ゆっくりと手拍子
斑に広がっていく色
老いていく
雪が溶ける頃に
恐さを感じたんだ
君だけを書いた
窓辺の椅子
待って
「期待していた」 
なんて言うからさ
紙屑がまた増えた
君だけ描(えが)いた
夜明けに冷め切ったコーヒーを
「あなたならきっと」
聴き飽きたBGM
溜息が尽きない

歌えなくなった歌唄いは
描(えが)けなくなった絵描きたちは
何処に歩いて行くのだろう
飛べなくなった鳥は
泳げなくなった魚は
何を生み出せるだろう
君だけを書いた
何度だって君が主人公の話を
どこにでもあるようなノートに
君が望むままに
それだけで息ができる世界なら
僕に価値なんていらないのに
君だけを書いた
ノートの上
舞って
綴った文章はありきたりだけど
そのままで踊って
君だけ描(えが)いた
空っぽな僕にはもう真っ白
線をひとつ飛ばして
糸を手繰り寄せるように
冬が過ぎていく
僕の歩く道は青緑
窓の外で輝く星

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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窓辺の青緑

中学生の頃に書いた歌詞です。

閲覧数:93

投稿日:2023/07/02 04:22:09

文字数:640文字

カテゴリ:歌詞

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