A
僕は文字を食べてる　他人が綴った文字を
うまく飲み込めなくて　噛みごたえのある文字を

僕は文字を食べてる　自分で綴った文字を
うまく味もしなくて　噛みきれもしない文字を

B
何億もの文字で　溺れそうになってる
大切に思った文字で　息継ぎしてる

S
注がれた愛の文字も口を溢れてく
甘いはずなのに　苦くて苦しくて

注ぎたい僕の文字も口を汚してく
甘くしたいのに　苦くて苦しくて

なのに僕はまた文字を食べてる

A
僕は文字を食べてる　誰かが綴った文字を
うまく飲み込めないのに　それでも食べたい文字を

僕は文字を食べてる　誰かに綴った文字を
うまく味もしないのに　それでも尽きない文字を

S
注げない数の文字が口を溢れてく
うまく言えなくて　苦くて飲めなくて

だから僕はまた文字を食べてる
にがい…なのに僕はまだ文字を食べてる

人を理解したくて


ーー以下より、ひらがな全文ですーー

ぼくわもじおたべてる　たにんがつづったもじお
うまくのみこめなくて　かみごたえのあるもじお
ぼくわもじおたべてる　じぶんでつづったもじお
うまくあじもしなくて　かみきれもしないもじお

なんおくものもじで　おぼれそうになってる
たいせつにおもった　もじでいきつぎしてる

そそがれたあいのもじも　くちおあふれてく
あまいはずなのに　にがくてくるしくて
そそぎたいぼくのもじも　くちおよごしてく
あまくしたいのに　にがくてくるしくて

なのにぼくわまた　もじおたべてる

ぼくわもじおたべてる　だれかがつづったもじお
うまくのみこめないのに　それでもたべたいもじお
ぼくわもじおたべてる　だれかにつづったもじお
うまくあじもしないのに　それでもつきないもじお

そそげないかずのもじが　くちおあふれてく
うまくいえなくて　にがくてのめなくて

だからぼくわまた　もじおたべてる
にがい　なのにぼくわまだ　もじおたべてる

ひとお　りかいしたくて