楽園に近い庭の片隅に林檎の木
燃やしてみればいい
幸福が梳かれたアムリタの一雫が
願っても叶わない夢に溺れた人の口に触れた

火鉢に入り込んだ蝶に帰道を示したい
狂ったフリして守って貰いたかったんだろう?
どうか一匙の幸福が意味を成すように
鍵をかけた

足跡を辿って、「善は閉じ込めろ」と叫んでいた
標本の世界で藻搔いて咲いた心臓の花が虚空を裂いて
地獄の底で花束を抱えて笑う人達が見えた
汚泥で満ちた海岸から誰かが呼んでいる
人が消えて空が沈んだ
磔になる世界で飾られたんだ

流転に近付く霧の傍らで拍手の音
聴かなければいい
紫陽花を注いだカップの中で
願っても叶わない明日に汚れた人の声が響いた

標本の街の蝶番が壊れていく
傷みは代替し、甘い感情を取り残して
醜悪で満ちた世界の黄昏を生きる
そんな誰かの日常が現実でないと思いたい、と

眼下、木屑の花に灰が積もって震える声を聞いた
標本の世界で足掻いて裂いた沈降の余韻が言葉に咲いて
楽園の上で荊を抱えて泣いてる人達が見えた
混濁で満ちた遊園から誰かが見ている
人が消えて、それで終わった
礎になる世界で飾られたんだ

生まれ変わりの合図の朝日が昇る
「今度はどんな姿で生きて行こうか」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

第一標本世界

在るべき形の楽園と第一標本の世界の類似点

生まれ変わりと標本の話です

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投稿日:2023/10/27 06:36:27

文字数:524文字

カテゴリ:歌詞

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