[メランコリックモンスター]
ラジオの予報で 誰も彼も 気持ちをどこかへ
落としたような 何も聞こえない夏
不吉な祈りが 段々と大気を満たした
呪文のように 木霊を繰り返す
夕闇のような揺らぎにふと気付いた
未だ青白い街を跨いだその姿
星読みのような瞳でキミを見ていた
足は知らぬ間に駆け出した
メランコリーを喰らう 砂と八頭九手の怪物が
空雨の声でキミを追う 淡い空気が渦を巻く
競うように流れる 明日の天気を歌う音楽が
尚更に霧を深くする 鳥も世界も声を失った Daylight
聳え立つ影を 見つめては 誰かが呟く
逃げ場など無い 何処へも行けまいと
足取りが止まる 俯いて 言葉を零す
沈む世界に 乾いた風が吹く
ノイズに塗れた 天気予報が聞こえた
霞む周期に合わせ巨大な手が揺らいだ
海原のような瞳でキミを見ていた
足は知らぬ間に駆け出した
メランコリーを喰らう 砂と八頭九手の幻影を
今一度胸に焼き付ける 「きっと今年も暑くなる」
冬のように佇む 誰も歌わぬ街を駆けながら
騒がしい夏の日を想う 砂の標が道を指し示す Layline
掌の中で砕け散った欠片たちを
祝福のような南風が攫う
黎明が街を染めゆくのを見ていた
まるで長過ぎた梅雨が明けるみたいだった
メランコリーを歌う 砂と八頭九手の楼閣が
夏の陽を浴びて崩れてく 青い空気に羽根が舞う
嘘のようにかき消えた 明日の天気予報に代わって
8月の蝉が鳴き出した
喧噪に今しばし目を閉じる
いつものように街が動き出す
歌を流して
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