思いがけずに　雨が降った夕暮れ
シャッター街の軒先少し賑わって

逃げ込んだのは写真館のようで
慌てるきみが軽やかなステップで同着

少し気まずい空気がそよいで
雲を見上げてつぶやくのは

ただの愚痴だ

退屈なぼくの目は
雨粒ひとつの行方も追えずに
明日のこと自分ごと
洗い流すのに丁度いい

通り過ぎ晴れ渡る
なにごともなかったかのように
予測できる未来なんて
願い下げだったぼくに今時雨潤う

降り頻る雨が　誰もを分かつ
ぼくは色褪せた写真を背に

いつかは止むと知ってるだろう？
それでもきみはその時が
待ちきれないように

天気がいいとか悪いとかきっと
ぼく以外の誰かとどうせあべこべだ

好きとか嫌いとか気にしなくていい
今が過去になって今を無くす

しかめっ面したぼくは
どんな言葉ため息に添えよう
灰色をまた濃くして
雲が嘲笑うように

通り過ぎ晴れ渡る
なにごともなかったかのように
予測できる未来なんて
願い下げだ

退屈なぼくの目は
雨粒ひとつの行方追えず
明日のこと自分ごと
洗い流せ新たな日々

通り過ぎ晴れ渡る
そんな予定調和がなくなっても

天変に心から時雨潤う

思いがけずに　雨が降った夕暮れ
シャッター街の軒先少し賑わって

軒先少し賑わって