[A1]
緋(ひ)の粉香る篝火さげ
遊びましょう色(しき)は徒然に
[A2]
盃(はい)を掲げ酒をつげや菊を眺め歌いんせ
月が良(よ)いか? 花が良いか? 雨降るなら番傘(かさ)させ
[B]
芒(すすき)が凪ぐ丘に紅葉散りて
蝶舞う空見上げたる猪(しし)も鹿もいとをかしや
[S]
桜は咲く飄々(ひょうひょう)と藤に恋し不如帰(ほととぎす)
幕を引きて詠えやあはれな四季の歌

[A2]
牡丹の花蒼紅(そうく)の短冊(たん) 綴られしはあ可よろし
柳揺れて燕遊ぶ桐に降(お)るは黄金
[B]
赤月昇る空を見上げる鶴
何を思い綴(と)じ込められたか小さき檻の中
[S]
三(み)つ光に溺れて四(よ)つを仰ぎ雨が降る
こいを詠え合いの手打ち鳴らし笑おう

[B]
宵からさめ空の懐
さびしく思えば花を集めまた徒然なるままに
[S]
桜は咲く爛漫(らんまん)と月になびく芒(すすき)たち
酒を交わし笑えよ四季のあはれな様

[S']
五(い)つの光探して彷徨うのか花たちよ
こいを詠え流るる世を嘆くくらいなら
儚きに恋せよ