1
アレもコレも軽量化


黒の電話であなたへのラブコール
十個の数字　指で回し　（トゥルル）
「好きだよ」……親が出てちょっと気まずい。

いつもの時間　今日はあなたからの日
受話器を見つめ　コール待った
鳴らないな　まだかな　待ち遠しいよ　ジリジリ……

ダイヤル回して 戻らない日


月日が経って　（便利になって）
今じゃあ何だって　（画面タッチで）
直ぐに呼び出し　（そんなご時世）

――無くしたものは何《なあに》？


デジタル化して　小型軽量化
いっぱいの愛も 何も が全部
0と1の データの 小っちゃなメモリ になる時代


2
ブラウンの眼を 合わせ　照れ微笑《テレビしょう》して
そっと歩《ほ》止めた　デート帰り
ハートに熱く　焼きつく場面

夕方/U型 のキス　辺りも僕も赤く
瞳 閉じたら　唇《リップ》逸れて　（ザザザ）
微調整　ちょい右　それじゃあちょっと行き過ぎ……

チャンネル回して 戻らない日


忘れたくない　（でも薄れてく）
大切なメモリー　（心のメモに）
残ってるけど　（目減りしていて）

――今、重さ何グラム？


アナログだった　僕たちの恋は
不器用で　両手 に持て ない様<よ(う)>な
大きな想い　ぎこちなく組み上げ ていた

ねぇ、今 は如何《どう》？


3
愛も恋も軽量化？


月日が経って　僕ら変わったかな？
"好き"の気持ちの　重さも減ったかな？


デジタル化して　小型軽量化
いっぱいの愛も 何も が全部
0と1の データの 小っちゃな メモリ
みたい　だけど――

時代経過で　世の中変わって
思い出も いつか風化　それでも
小っちゃく なっても 量は変えないまま　今も あるよ


大きな想い　全部 ギュっと詰め込み　今日も愛を携帯――。


<ひらがな.ver>
※[]で囲った箇所は1音に2文字詰め込んでいます。
1
あれも　これも　けいりょおか

くろのでんわで　あなたえのらぶこおる
じいこのすうじ　ゆびで　まわし　（とぅるる）
すきだよ　おやがでて　ちょと　きま[ずい]
いつものじかん　きょうわあなたからのひ
じゅわきおみつめ　こおる　まあた
ならないな　まだかな　まちどお[し(い)]よ　じりじり
[だい]やる　まわして もどらないひ

つきひがたあて（べんりになあて）
いまじゃあなんだあて（がめんたあちで）
すぐによびだし（そんなごじせい）
なくしたものわなあに

でじたるかして　こがたけいりょおか
いい　ぱいの　あいも　なにも　がぜんぶ
ぜろと　いちの　でたの　ちちゃなめもり　になる　じだい

2
ぶらうんのめお　あわせ　てれびしょおして
そおと　ほと めた　でえと　がえり
はあとに　あつく　やきつく　ばめん
ゆうがたのきす　あたりもぼくもあかく
ひとみ　とじたら　りいぷ　それて　（ざざざ）
びちょうせい　ちょいみぎ　それじゃあ　ちょと　いきすぎ
[ちゃん]ねる　まわして　もどらないひ

わすれたくない（でもうすれてく）
たいせつなめもりい（こころのめもに）
のこおてるけど（めべりしていて）
いまおもさ　なんぐらむ

あなろぐだあた　ぼくたちのこいわ
ぶき　よおで　りょうて　にもて　ないよな
[おお]きな　おもい　ぎこちなくくみあげ
ていた　[ね(え)]いま　わどお

3
あいも　こいも　けいりょうか

つきひがたあて　ぼくらかわあたかな
すきのきもちの　おもさもへえたかな

でじたるかして　こがたけいりょおか
いい　ぱいの　あいも　なにも　がぜんぶ
ぜろと　いちの　でたの　ちちゃなめもり
みたい　だけど

じだいけいかで　よのなか　かわあて
おも　いでも　いつか　ふうか　それでも
ちちゃく　なても　りょおわ　かえないまま
いまも あるよ
[おお]きな　おもい　ぜんぶ　ぎゅとつめこみ
きょおも　あいお　けい[たい]