いつも変わらない君でいてね
そう あなたは言った
その言葉は 緩く足枷になって
私のセカイは閉ざされる
らしく らしく
らしさ なんてものは
いったいいつの間に
だれが
私に与えたというの
私の知らない らしさ だけが
ひとり歩きして
けれどあなたは
こうも言ったわ
夢をかなえて
理想の大人になってね と
りそう リソウ
理想の大人 理想の女性
そんなものは
誰の心が生み出したというの
ヨノナカの理想は言葉だけ
大和撫子だって
その名前だけが消費されて
本物の彼女はどこにもいなくなった
なりたい私はいくらでも
そうね まずは
異国の綺麗なスタァのように
ふたつの眸にひとつ
蒼い宝石を飼いたいわ
つぎにはあそこの小鳥のように
鈴の声を出してみたい
なぁんて ね
知っているわ
私が私で生きていくには
あなたやだれかの言う
らしさ を 裏切れないの
私が好かれて生きていくには
ヨノナカに好かれるしかないの
誰かの理想を模造して
ああ
からっぽ
もやのなか
私がわたしを知らないまま
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