通学路だからと
言い訳をして見に行く
置屋のベランダで
水を遣るひと

如雨露がよく似合うのは
きっとあの人だから

蔓先のツボミが
地面に届きそうで
わたしの手でも
摘み取れる気がした


重たいランドセルが
背中で嫌嫌をしてる
首の裏を伝ったのは
きっと暑いからだ

この道から動けないのは
お水が足りないからよ

ベランダから差し出した
水差しに揺れる花が
誘ってるみたいで
おいでと言うみたいで


通学路だからと
言い訳をしなくても
あの人は私に
お水をくれたのよ

蔓先のツボミが
地面に届く頃
私も静かに
摘み取られるのかしら

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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夕顔

夏の一番暑いころ、春を売る女の人に惹かれた女の子のお話。

レトロモダンな百合にしたかったの。昭和あたりの。

閲覧数:95

投稿日:2014/07/31 21:42:28

文字数:270文字

カテゴリ:歌詞

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