残る数滴の愛を飲み干した
僕の体に染み込んでいくように
ビンに置き去りの少年の声は
日々腐りながらもいつか外に出る日を待ち望んでいる
流れる空の下、あなたの鼻歌と
変なかたちのビンの中
ガラス玉の音がただ響くのでした
残る数滴の彼の血液は太陽に透けて青く輝いた
人は死んだら星になるそうで
結局のところ、彼もそうだったのでした
見上げる空模様は鼻先から濡らした
大葉の傘さして弾ける雨粒がただ響くのでした
降りしきる雨の中、あなたの鼻歌と
変なかたちのビンの中
二人の声だけがただ響くのでした
まだ響くのでした
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