議題は変わっても脳内は相変わらずで、
喧々諤々は真夜中まで続く。
そうして預かった言伝たちを
ここに記しておく。


生きた証を残したいと思った。
いや、創る事への憧れからだったか。
とにかくそうしてペンを取り
書き始めた事は覚えている。
まあ、月並みな理由さ。
そして稚拙さも、
火に焚べる以外役に立たず。
だが音楽という発熱の原因が増えて、
病は治らないままだった。


大人になった覚えもないまま
前よりも均された道を歩いている。
現在地もよく分からないままで、
ついでに一週間前の夕飯も思い出せない。
書き残さなきゃ消えると知っていても
一日を掛けても一行も進まないから。
窓の外と心が暗くなっていって、
まるで世界が終わる気分になっているんだ。


何十回も月日を見送って、
ようやく書き上げた一曲と一篇。
「さあこれで世界は変わるだろうか?
まあなんたって◯は天才ですから!」

意気揚々は早々に打ち砕かれ、
セカイは変わったけれど結果
ファイブエム未満で。
今度こそは、今度こそはを繰り返し、
足取りは軽いけれどずっと同じ景色。


僕は特別ではないのだ。
思い知って途方に暮れて天井を見つめる。
「分かっているのさ。」と聡い身体は
動かなくてもう止めようよって囁く。
いつしか眠りに落ちて。
題名を失くした音楽の断片や残骸が、
僕のいない未来で奏でられている。
夢を観ている、また、まだ。


あなたは考えすぎで、
その上すぐに忘れてしまう。 
自分が出来る事、得意な事。
少しずつ前に進んでいる事。
凡庸な悲劇の独白でも
受け取った私は意味を満たせている。
だから書き足しておくよ、
私達自身を忘れないための言葉を!

誰の記憶にも残らない日々でも
私が覚えておくから、
預かった歌と言葉で。
妄想みたいな空想でも
無いよりはずっといいでしょう?
私と歌おう、鳴らし続けよう、
セカイが終わるまで。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

とある手記

ポスㇳロック投稿祭で書いたエッセイ

閲覧数:95

投稿日:2024/01/14 14:29:49

文字数:812文字

カテゴリ:歌詞

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