「ー・・・僕好きな人ができたんだ・・・」




長い沈黙・・・



お母さんが口を開いた・・・



「ふふ おめでとう」



お母さんもお父さんも喜んでくれた。



好きな人ができるだけでこんなに褒められるんだ・・・


「あなたもそんなに成長したのね・・・お母さん、嬉しいわ・・・」


僕は成長したのだろうか・・・


いや体は成長したのかもしれない。


けど心はまだ小さい頃のまんまだ。


何も変わっていない。



変わって見えるだけなんだ。


僕の周りが大きくなって、僕もそれにつられて大きくなっているだけで、中身はあの時のままだ。



変わりたい。そう思えた。





「・・・し・・・と 始音海斗!!!
起きてるのか!!!」



「わっ!!すいません!!!」



なんてことだ。



この先生の時に限って寝てしまう。


「先生・・・すいません・・・」



「わかればいいのよ。」



笑顔だ。




先生の顔を見てから俺は先生のネームプレートに視線をずらした。


(初音ミク先生か・・・)


聞いたことのある名前・・・

しかし



思い出せない。






ねぇ君に会いたいよ。



ねぇ君もきっと子供だよね?


僕に話しかけてくれたもん。


ねぇ 君は今頃誰の乳を吸ってるの?



僕はもう卒業したんだ。



僕はもう言葉を覚えたよ?



君は覚えたのかな・・・・


覚えたのなら一緒に喋りたいよ・・・





「お前さぁ今日もミク先生の時に寝てたよなぁ」




「なぁーんか寝ちゃうんだよなぁ・・・」



「安心するてきな?」



ぶふぉ



「ちょっ やめろよまじで。」



「だってお前ミク先生の時ばっかりじゃん!!!」



「だからってそんな確証がどこにある!!!!」



「何処か?」



こいつぅ・・・



俺の友だち、神威岬 岳(かむい がく)


唯一のリア友だ。



「にしてもほんとお前はよく本を読むなぁ・・・」



「ん? あぁこれか・・・」



小さい頃、父からもらった二息歩行規集。


「でもさー二息歩行ってさこんな字じゃなかったよな」


「うん。正確には二に足に歩行だよね」



そんなの僕は知らない。



ただ面白そうだったから、借りて読んでる。



でも、これのことを思い出そうとすると頭が痛くなる・・・

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二息歩行3

久しぶりからの二息歩行。

閲覧数:74

投稿日:2014/04/09 23:43:21

文字数:1,031文字

カテゴリ:小説

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