episode1-6
放課後…屋上に信崇と春之助の姿があった。「それじゃ~訳を聞かせてくれるか?」春之助が話し掛ける。「…私は養子である事は知っていますよね。その前はSBCS施設の一員に過ぎなかった…。それが小学校に上がる直前に、いきなり養子の話が持ち上がり…あっという間に息子になってた。…普通は、人格形成が整え始めた頃に、養子にするかの是非を判断すると聞いている…。まるで決まっているかのように、何かを裏付けるような判断の仕方が気になって…。私自身の出生を、全て明らかにしたいと願い…SBCSもしくは、本社のパソコンのデーターに手掛かりにあるんじゃないかな…と思って。でも、私だけでは無くて、SBCSの仲間の全てが出生不明なんだ…。そんなのどう考えても、おかしいだろ?それでハッキングを頼んだ…。これが訳の全てだ…。」「…なるほどな。1つ言わせて貰うと…親父さんの会社に、そんな事をしてバレたらヤバくないか?って心配と…余りにも自分勝手な言い訳で、他人を危険な事に引きずり込もうとしているのは、よろしく無い!…が、実のところ…以前にハッキングをやった事がある…。」「…えぇ~っ!…マジで?」「…お前のような、しっかりとした理由も無く…。私利私欲(しりしよく)のままにある会社のロボットデータを、盗み見した…。お前に怒鳴りつける事を謝る…。済まなかった!…お前の真剣な眼を見て、俺のやり方が助けになるならって思った…。」春之助が頭を下げながら、照れくさそうにしているのが分かる。「ありがとう、浅井君…。」春之助の眼の色が変わる。「…早速だが、相手が相手だけに…セキュリティ対策が万全だと思う…。こちらも、それ相応の対策を立てて、望まなければ…こちらの尻尾を捕まれ兼ねない。で…沖田家の財力に縋(すが)って…出来る限りでいい、ホントに出来る限りでいいから…ある物を購入して貰いたい。これがあれば…ハッキングの場所を特定出来なくなるシロモノだ。」「…わかった。こちらが安全になるって事だろ…。」信崇がニヤッと笑う。「そう言う事だ。」春之助も笑い返す。「…それじゃ~、詳しい物品の情報をlineで送って下さい。」お互いの番号を交換する。「…何だかんだで、2~3日掛かるから…少し時間をくれ。そのブツが発注出来そうなら、直ぐ連絡してくれ。…出来る限りでいいから、頼んだぞ。…じゃまた…。」「…わかった。ホントに済まない。感謝する…。」信崇の声に返事をするように、背中で手を振る春之助。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歴史を変える、平和への戦い

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投稿日:2024/03/17 17:23:52

文字数:1,039文字

カテゴリ:小説

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